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「トイレの健康術」知っておきたい病気の危険サイン

[週刊大衆2017年09月18日号]

「トイレの健康術」知っておきたい病気の危険サイン

 出してスッキリ、毎日の“お通じ”で肉体の異変や病気の兆候が分かるという。注意すべき危険サインとは!?

■おしっこやうんちは、健康のバロメーター

 トイレが終わったら、出したものをろくに見もせず流している。こんな人も多いのではないだろうか? だが、ホームドクターとして定評がある『宮元通りクリニック』(東京都大田区)の渡會敏之院長は、次のように話す。「おしっこや、うんちの異常に気づいて受診したことで、重大病の早期発見、早期治療につながった患者さんも多いんですよ」

 健康状態や病気の兆候を知るポイントは、どんなところにあるのか。まずは、おしっこから見ていこう。色は無色透明か薄い黄色が最も健康かと思いがちだが、濃淡はさほど気にする必要はないという。「濃い黄色になるのは水分量が不足しているときですが、ビタミンB入りのサプリを飲んでも濃い黄色の尿になります」(前同)

■ピンク、赤色系の血尿に要注意

 注意したいのは、ピンクや赤茶色の尿。赤色系になるのは尿に血が交じっているためだからだ。「女性なら膀胱炎、男性は尿道などが結石で傷つけられて血尿が出るケースが多いんです」(同)

 急性腎炎や腎臓がんや膀胱がん、前立腺がんなど、命に関わる疾患の場合でも血尿は出るという。白く濁った尿も要注意。「腎臓だけでなく、尿管や膀胱、尿道など尿の通り道の炎症が疑われます。尿が乳白色に近い色になり、悪化すると膿などが混じり、黄色い濁りが出てくるんです」(医療ジャーナリスト)

 背中から腰にかけての痛みや吐き気、発熱などもあるなら腎臓に、排尿時の痛みなどがある場合は、尿道や膀胱に炎症が起こっているケースが多い。また、加齢で前立腺が肥大すると、膀胱や尿道を圧迫するため尿が出にくい、何回もトイレに行き、出ても少量という状態になる。おしっこをしたときの“泡立ち”も要チェックだ。尿には、もともと泡になりやすい成分(ウロビリノーゲン)が含まれているため、誰でも多少は泡立つ。だが、なかなか泡が消えないという人もいることだろう。

■タンパク質や糖が多いと、泡が消えにくい

 最新著書に『尿検査の数値が気になる方へ腎臓専門医が教える腎機能を守るコツ』(同文書院)がある、東京医科大学病院の腎臓内科学分野主任教授である菅野義彦氏(医学博士)によると、「尿にタンパク質や糖などが多く含まれていると、泡がなかなか消えないことがある」という。「健康な腎臓が作る尿にはタンパク質や糖はほとんど含まれません。これらが大量に出るのは、腎機能が大きく低下しているか、あるいは腎臓に大きな負担がかかっている状態なのです」

 こんな状態が続けば、慢性腎臓病(CKD)になり、ついには血液を濾過して尿にするのも困難に。こうなると人工透析が必要になる。現在、人工透析患者は32万人以上で、予備軍は1330万人ともいわれる。「おしっこをしたあと、泡立ちがなかなか消えない人は、ぜひ尿検査をしてください」(前同) 尿検査は、ドラッグストアや通販で売っている検査紙を使えば自分でも簡単にできるし、病院に行けば、500~1000円ぐらいで検査を受けられるという。

■真っ黒なタール便は危ない

 一方で、便の場合、色は黄金色がベストだが、緑や赤色でもそれほど心配しなくてもいいケースも。「便の色は食べた物に反映することが多く、ワカメなどを大量に食べると緑色になることがあります」(前出の医療ジャーナリスト)

 鉄分が多いほうれん草や春菊などを食べると、黒っぽい緑になることもある。だが、前出の渡會院長は、こう警告する。「変な色の便が出たら、2~3日、別なものを食べて、それでも続くときは病院で診てもらってください」

 危ないのは灰白色の便だ。バリウムを飲んだわけでもないのに、灰白色の便が出るときは、ウイルス性腸炎や膵炎、膵臓がんなどの疑いがあるという。また、タール便と呼ばれる真っ黒な便も要注意。「食道や胃、十二指腸などから出た血液が酸によって黒くなるためで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらに胃がんなども疑われます」(医療機関関係者)

 出口(肛門)に近い場所で出た血ほど赤に近い便になり、鮮紅色の便は内痔のケースが多い。「ですが、直腸がんの患部からの出血のケースもあります。便に血が混じっていたら、内視鏡検査を受けてください」(前出の渡會氏)

■臭い、下痢にも気をつけたい

 便の臭いも健康状態を教えてくれる。臭いがきつい場合は、肉類の食べすぎ、あるいは腸内細菌が悪玉菌に偏っている場合が多い。気をつけたいのは、ひどい悪臭や刺激臭に加え、下痢便のとき。食中毒や赤痢、潰瘍性大腸炎などが考えられる。便の場合、色や臭いだけでなく、形状もチェックポイントになる。「健康的な便はバナナの色と形をしたものです。兎の糞のような小さくてポロポロした便が続くときは、過敏性腸症候群の疑いがあります」(健康雑誌記者)

 便の量や回数も気になるところだが……。「便の量や回数には個人差があって、150~200グラム程度、1日1~3回が平均的といわれています。量や回数よりも、まずは太さに注意してみてはいかがでしょう」(医療ジャーナリスト)

■細くなったら大腸がんの危険性

 大腸がんや直腸がんだと、便の通り道を腫瘍が塞ぐため、便が細くなるという。「直腸がんの場合、それまでわりと太かったのに急に鉛筆のような細い便が出るようになるので、すぐに病院へ行きましょう」(前同)

 排便後に水を流しても、スルッと流れず便器にくっついてしまう。「トイレを出たあとはちゃんと掃除をしてよ」と奥さんに文句を言われた方もいるだろうが、こうした“便器にへばりつく便”も健康的ではない。「便器にくっつくのは、便に含まれる脂肪分が多いからです。これに加え、腸の動きが弱くなっていることも考えられます。食べ物は小腸や大腸を通過するときに、腸から出た粘液でコーティングされながら便になります。腸が動いてうまくコーティングされたら、粘液でくるまれベタベタせず、便器にもくっつかないんです」(都内在勤の内科医)

 便器にくっつく便が出たときは、肉や揚げ物を控え、腸のぜんどう運動が活発になるように運動をしなさいという腸からのサインだ。

■還暦を超えると便秘になる人が多い

 男性の場合、60歳を超えると「若い頃は便秘にならなかったが、最近は……」という人が多くなるという。「加齢により便を押し出す腹筋が衰えるからです。食べる量が減り、食物から得られる水分摂取量が減ることも考えられます」(前同)

 なお、便秘でいきんだり、おしっこを我慢したりすると、血圧が急激に上がる。「これで脳卒中を起こすケースも少なくありません。便意を催したら、とりあえずトイレに座るなどして、便の習慣をつけることが大切です」(渡會氏)

 体は、おしっこやうんちで生活習慣を改善するように促している。トイレでの状態チェックに、今日から取り組みましょう。

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