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鈴木宗男氏が提言「北朝鮮封じ込めは安倍晋三首相とプーチン大統領でやるべし!」

[週刊大衆2017年09月25日号]

鈴木宗男氏が提言「北朝鮮封じ込めは安倍晋三首相とプーチン大統領でやるべし!」

 連日、飽くなき示威行為を続ける“暴走王子”を封じ込めるには、“コワモテ皇帝”の力が不可欠――日露外交を知りぬく男が吠える!

■ミサイル発射、核実験…北朝鮮の暴走を止めるには!?

 8月29日、北朝鮮は今年に入って13回目となる弾道ミサイルを発射。日本上空を通過し、北海道沖に落下した。その後、9月3日には過去最大規模の核実験(水爆実験)を実施。小野寺五典防衛相は6日、破壊力の推定値が160キロトンに達する可能性があると発表した。これは、広島型原爆の10倍以上の威力。韓国紙『東亜日報』は、「ソウル上空で100キロトン級核爆弾が爆発したら36万人が即死」と報じたほどの脅威だ。さらに15日、北朝鮮はまたもや日本上空を通過するミサイルを発射した。

 緊張が高まる中、11日には国連安全保障理事会で北朝鮮への追加制裁決議が採択された。しかしその裏では、各々が自国の権益を主張している。そんな状況下で日本が第一に優先すべき相手は、ロシア。トランプ米大統領のメッキがはがれつつある中、世界の覇権を一挙に握らんとするプーチン大統領を押さえなくては北朝鮮の封じ込めは難しい。そこで本誌は、国内屈指のロシア通を直撃した。プーチン大統領と過去4回会談し、北方領土問題を巡る日露交渉では安倍晋三首相に助言もしていた新党大地の鈴木宗男代表だ。その鈴木氏が、北朝鮮問題解決に向けた日露の課題について緊急提言する。

■安倍晋三首相が、プーチン大統領と異例の電話会談

「まずは、先月末のミサイル発射には驚きました。グアム近海が標的といわれていましたが、よもや襟裳岬の上空に飛んでくるとは思ってもみませんでしたよ。サンマ漁のシーズンで船が近海に出ていましたし、そもそも、北朝鮮のミサイルの精度は低い可能性がありますから、太平洋上に撃ったつもりが失速して北海道に落下する可能性もあったわけです。ただ、安倍首相の対応は実に見事でしたね。ミサイル発射は朝の5時48分ですが、安倍首相は早くも6時過ぎに官邸に入り、マスコミの取材に答えていました。米韓両国と事前に連絡を取り合い、情報をつかんでいないと、こうはいきませんよ。非常にスピード感あふれる対応です」

 米韓との連繋もさることながら、核実験のあった3日夜、安倍首相は、プーチン大統領と異例の電話会談を実施。その日、プーチン大統領は、中国の習近平国家主席がホスト役の国際会議「東方経済フォーラム」に出席し、福建省アモイに滞在中。相手が第三国にいる場合、盗聴を懸念し、電話会談を控えるのが常識だ。しかも、安倍首相はトランプ大統領の次にプーチン氏に電話したが、記者団にはプーチン氏との会談内容から先に説明。首相がロシアとの関係を重視していることをアピールした。

「それだけではなく、安倍首相がプーチン氏に電話したという話は当然、習近平氏の耳に入るわけです。つまり、プーチン氏への電話は“北朝鮮問題で日露の両首脳が協調して解決にあたる”という、中国への目に見えないメッセージにもなるわけです。そもそも、北朝鮮問題のキーマンとなるのはプーチン氏しか考えられません。金正恩委員長のおじいちゃん(故・金日成氏)は旧ソ連のもとで抗日闘争を戦い、戦後、その後押しで、北朝鮮に朝鮮民主主義人民共和国を建国したという歴史的な経緯を考えても、北朝鮮問題におけるロシアの重みは明らかです」

■ロシアを動かすのは、日本にしかできない

「では、誰がそのロシアを動かすのか。それは、日本にしかできないことなんです。まず、日本と北朝鮮は隣国という地勢的な特徴がありますからね。それと、今の主要国リーダーの中で、首脳としての政治経験が最も長いのはプーチン大統領。次がドイツのメルケル首相。そして、その次が、実は安倍首相なんですよ。しかも、9月7日にウラジオストクで日露首脳会談を行い、これで安倍首相は計19回、プーチン大統領に会ったことになります。ですが、単につき合いが長いからということではありません。なぜ日本しかロシアを動かすことができないのかというと、日本がロシアに対して、しっかりモノを言える“立場”にあるからです」

 日本政府は、北方領土返還交渉と平和条約の締結へ向け、北方領土でのロシアとの「共同経済活動」をはじめ、ロシア本土(サハリンでの開発を含む)での経済協力を実施している。その関係を、外交カードとして適切に使えばいいというわけだ。「経済協力というと、よく日本が税金を使ってロシアを援助しているように誤解されますが、ロシアは、そもそもODA(政府開発援助)の対象外。ロシア本土での経済協力の主体は、あくまで民間企業です。経済協力は“ロシアに食い逃げされる”という言い方をされることもありますが、政府が規制を緩和したり政府系金融機関が融資するという形で企業進出を後押しすることはあっても、国と国とではきちんと対等な関係なんですよ」

■鍵となるのは「ロシアの石油」

 一方、国連の北朝鮮制裁の焦点となったのは、石油だ。北朝鮮には年70万~90万トンの石油需要があり、このうち、中国から50万トン、ロシアから25万トン、残りを中東諸国から輸入している。特にロシアは、今年1~6月に、ガソリンやディーゼル燃料など石油製品の北朝鮮への輸出を前年比で倍増させており、ロシアが石油を禁輸すれば、北朝鮮の経済活動が事実上ストップするどころか、軍事行動さえ起こせなくなる。

「とはいえ、北朝鮮と歴史的なつながりがあり、経済的にも深い関係のロシアとしては、米国中心のやり方を受け入れることはなかなかできないでしょう。だからこそ、米国と長い同盟関係にある日本が、両国の接着剤となるべきなんです。現在、日本には北朝鮮への太いパイプや有効な外交カードはありません。その日本にとっては、石油という武器を持つロシアを動かせれば、交渉のカードを持つことにもつながります」

■金正恩委員長が望むのは、一にも二にも体制保障

「北朝鮮の金正恩委員長が望んでいることは、一にも二にも体制保障。つまり、今の金体制を米国が認めることですよ。米韓合同軍事演習は、そんな北朝鮮からみれば、現体制の転覆を図るためのものとしか思えないはず。だから猛反発し、合同軍事演習の虚をついて、ミサイル発射や核実験を繰り返すんです。したがって、米韓両国は合同軍事演習を、北朝鮮はミサイル・核実験を、本来は互いに自制すべきなんです。その意味で言っても、米国のトランプ大統領も少し自制をしなければ、問題は解決しないでしょうね」

 米国も一方的に武力行使を匂わせたり、制裁カードを振り回すのではなく、譲歩すべきところは譲歩することによって、ロシアや中国に、金正恩氏の首に鈴をつける役割を担わせるべきだというのだ。「だからこそ、米国、ロシアと、それぞれ良好な関係にある日本が両国の間を取り持ち、国際社会の中で存在感をアピールするべき時なんです。中国はなかなか一筋縄ではいかない相手ですが、先ほどお話した通り、安倍首相がプーチン大統領と二人三脚で協議している姿勢を習近平国家主席に示すことで、中国を牽制することにもつながります。それで北朝鮮問題を打開することができれば、世界が日本を見る目も変わってくるでしょうね」

■中国の堪忍袋の緒も切れかかっている

 ロシアとともに長らく北朝鮮の“保護者”的な立場にあった中国だが、近年は、その関係に隙間風が吹いているとの指摘もある。「中国がかつて北朝鮮への制裁決議に理解を示したことに、北が反発。自制を求める中国をよそにミサイル発射や核実験を強行してきたことで、中国はメンツを潰された格好になっているんです」(外務省関係者)

 さらに、核実験も、前述の通り、中国主催の国際会議のタイミング。「中国の堪忍袋の緒も切れかかっている」(前同)という見方が、もっぱらなのだ。

 一方のロシアも、8月下旬から港湾使用料の未払いを理由に、北朝鮮の貨客船「万景峰号」のウラジオストク入港を拒否している最中。「水爆実験は、ロシアに対する、この件の当てつけという意味もある」(前同)という。

「ミサイル連射と水爆実験は、さすがにロシアにとっても想定外だったようで、強い言葉を使って北朝鮮を批判しています。今こそ、日本がロシアに働きかける好機でしょうね。北朝鮮問題を短期的に解決する方法は今のところ、ありません。経済制裁は少しずつボディブローのように効いているはずなので、日本としては、地道に圧力を加えていくという正攻法でいくしかないでしょう。どこまで圧力をかけたらいいのか、さじ加減は難しい。石油の禁輸は確かに大きい手ですが、いきなりやると、かえって暴発しかねません。いずれにしても、この問題解決には各国の協調と地道な努力が必要です」

■北方領土での共同経済活動をどうするか…日露会談の機会は何度もある

 その鍵を握るロシアと、今後にわたって最も頻繁に首脳会談を行うのは、他ならぬ日本だ。「9月7日の東方経済フォーラムに続き、11月にはベトナムのダナンでAPEC(アジア太平洋経済協力機構)の首脳会談が開かれます。そこでまた、日露会談の機会があるでしょう。現在、北方領土での共同経済活動を具体的にどうするのか、メニューの絞り込みを行っていますから、機会はまだ何度もあるわけです。焦らず、米国の動向も注視しながら、経済協力をカードとしてロシアと対話していくことが肝要です」

 日本がロシアを動かし、そのロシアが北朝鮮を動かす――。そのためには、安倍首相の対ロシア戦略の舵取りが非常に重要になってくる。緊張の続く極東情勢から、しばらくは目が離せなさそうだ。

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