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ドライバー取締りに変化あり!? 最高速度引き上げ「警察当局の腹の内」

[ヴィーナス2017年10月04日号]

ドライバー取締りに変化あり!? 最高速度引き上げ「警察当局の腹の内」

 8月上旬、ドライバーにとって衝撃的な報道が流れた。なんと、全国の道路で最高速度が引き上げられたというのだ。全国紙社会部記者が解説する。「2014年から16年の間に一般道の2610区間、計5000キロで最高速度が引き上げられました。速度の引き上げは、09年に現行制度になって以降で3回目。今回は主に、時速40キロ、もしくは50キロの区間で、10~20キロの速度引き上げを行ったとされます」

■交通事故の件数を比較すると…

 最高速度の緩和を歓迎するドライバーは多そうだが、道路交通評論家の鶴田光秋氏は「引き上げに際して、しっかりとした検証ができているのかが気になります」と話すのだ。事実、前出の社会部記者が次のように補足する。「速度引き上げの対象区間は、実際の走行速度を勘案したり、あるいは道路状況を考慮したとしていますが、詳細は分かっていません。また、過去も含めて対象区間の引き上げ前後1年間で事故件数を比較すると、7.1%も減少したとするデータがある一方で、一部区間では事故件数が増えている箇所もあるんです」

■警察はなぜ、最高速度の緩和に踏み切ったのか

 つまり、引き上げの正当性については、まだ不安が残るというわけなのだ。では、警察は、なぜ走行速度の引き上げに踏み切ったのか。一部では、「警察の取締りに不利との見方もされている」(前同)とも言われているからだ。

 交通ジャーナリストの村松虎太郎氏は、こう推測する。「速度制限に対する批判を解消する狙いが、まずあるのではないでしょうか。というのも、時速50キロの道路なのに、誰も守らず走行している道路ってありますよね。しかも、事故もほとんど起きていないのに、取締りを行っている区間が。13年、当時の古屋圭司・国家公安委員長もこの実態を、“取締りのための取締りになっている”と批判。以来、当局としては何かしらのアクションが必要だったと言えます」

 さらに、「欧州や米国では一般道ですら100キロを出せる区間が多く存在することを考えると、日本はかなり厳しい」とも指摘する。一方で、こう警鐘を鳴らす。「一般道で制限速度の“格差”ができるわけですから、注意が必要と言えます。高速道路を走行した後に一般道を走ると、つい速度超過してしまうことがありますよね。それと似た現象が起こりえますから、事故には当然注意しなければいけませんが、同時に、そうした箇所での取締りが増える可能性はあります」

■高速道路でも引き上げの社会実験

 一方、前出の鶴田氏は「制限速度が変化しようと、取締りに変化は出ないはず」としたうえで、こう話す。「警察に求められるのは、指導のための取締りです。警告なしに、いきなり取締りを行うのではなく、指導をするという姿勢が大事」

 まもなく、新東名と東北道でも最高速度引き上げの社会実験が行われるという。運転環境がどう変わるのか、注視が必要だろう。

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