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ドラフト会議、清宮人気集中の陰に“一本釣り”狙い!?【二宮清純のスポーツ一刀両断】

[週刊大衆2017年10月30日号]

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 ドラフト会議で、最も多くの球団から指名されたのは1989年の野茂英雄(新日鉄堺)と90年の小池秀郎(亜細亜大)だ。

■野茂英雄、小池秀郎は大活躍

 8球団の中から“当たりくじ”を引き当てたのは近鉄。入団した野茂は社会人ナンバーワンの評価に違わぬ活躍で1年目、新人王、最多勝、防御率1位、最多奪三振、最高勝率、沢村賞、MVPなどタイトルを総ナメにした。95年にはドジャースに移籍。MLB通算123勝は、今もMLBでの日本人投手の最多勝ち星だ。

 一方の小池は交渉権を得たロッテを袖にした。意中の球団ではなかったからだ。社会人野球の松下電器に進み、2年後、近鉄にドラフト1位で入団した。97年には15勝をあげ、最多勝に輝いている。

■1989年は社会人野球の当たり年

 プロ野球の世界で、入札の競合を回避するため、敢えて一番人気を避け、遜色ない実力派を狙うやり方を“一本釣り”と呼ぶ。野茂に人気が集中した89年は西武、中日、広島、巨人。小池ドラフトになった90年は福岡ダイエー、横浜大洋、オリックス、巨人が超目玉に背を向け、“一本釣り”を敢行した。

 89年は社会人の当たり年だった。野茂を回避した西武は潮崎哲也(松下電器)を、広島は佐々岡真司(NTT中国)を、中日は与田剛(NTT東京)を“一本釣り”した。潮崎が日本シリーズ優秀選手賞(93年)、佐々岡が沢村賞や最多勝(91年)、与田が新人王(90年)に輝いたことを踏まえれば、野茂回避が失敗だったとは言えまい。

 小池に集中した90年のドラフトではオリックスの長谷川滋利の“一本釣り”が光る。日米通算102勝、37セーブ、61ホールドという成績は、小池のそれを上回る。前年、ダイエーの1位指名を拒否した元木大介を指名したのは巨人。元木の2年越しの求愛に応じたかたちとなった。

 今年のドラフトの目玉は高校通算111本塁打の清宮幸太郎(早実)。彼に人気が集中すれば、即戦力の“一本釣り”が容易になる。10月26日に向け、虚々実々の駆け引きが行われる。

二宮清純(にのみや・せいじゅん)
スポーツジャーナリスト。(株)スポーツコミュニケーションズ代表取締役。1960年、愛媛県生まれ。スポーツ紙や流通紙の記者を経てフリーのスポーツジャーナリストとして独立。オリンピック、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。「スポーツ名勝負物語」「勝者の思考法」「プロ野球“衝撃の昭和史”」「最強の広島カープ論」「広島カープ 最強のベストナイン」など著書多数。スポーツ情報サイト「SPORTS COMMUNICATIONS」:http://www.ninomiyasports.com/

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