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【武豊】“有終の美”でG1を勝たせたい牝馬

[週刊大衆2017年12月18日号]

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 “これが競馬”と、“これも競馬”。一文字しか違いませんが、結果は大きく変わります。少なくとも僕の中では。来年のクラシックを目指した2歳戦……G3「京都2歳ステークス」(芝2000メートル)は、――これが競馬、です。胸を張って、そう言えるレースでした。

■G3京都2歳Sを勝ったグレイルはただモノではない

 デビュー2戦目で重賞を制したパートナーのグレイルは、父ハーツクライ、母プラチナチャリス、母父ロックオブジブラルタルという血統で、10月22日のデビュー戦では、“いずれ、強くなるかも”という、将来性を感じさせる走りを見せてくれました。野中賢二先生も同じように感じていたようで、「びっくりするくらい、まだ馬ができあがっていない。本当に良くなるのは4歳」と話していました。

 実際、京都2歳ステークスでも、全体的に緩さがあったり、最後の直線で手前を替えなかったり……完成途上というよりは、まだまだ、その入り口といった走りでした。それでいて、これだけの走りができるのですから、これはもう、ただモノではありません。高いポテンシャルを持った馬が、鮮やかすぎるほどの強い勝ち方で、ファンの期待に応える……これが、競馬です。

■キタサンブラックはG1ジャパンカップで3着

 禍福は糾える縄の如し。翌日のG1「ジャパンカップ」は、ただ、ただ、悔しい結果になりました。引退まで残り2戦……。

――きっちりと結果を出して送ってあげたい。これが、北島三郎オーナーをはじめとした関係者、ファンの想いでした。キタサンブラックも、その想いに応えて、スタートから先頭に立ち、堂々たる走りを見せてくれました。それでも、ちょっとしたことで3着に敗れることもある……。これもまた、競馬です。

●有馬記念で北島三郎オーナーの「まつり」を

――すべて勝つ。言葉にするのは簡単ですが、いかに、それが難しいことなのか。改めて、思い知らされたレースになりました。でも、こんなところで、へこんではいられません。キタサンブラックにとっても、北島オーナーにとっても、清水久詞先生にとっても、僕にとっても、次の有馬記念がラストラン。何がなんでも勝って、北島オーナーに、今年封印してきた「まつり」を歌っていただきたいと思います。

■G1香港カップ制覇を狙うスマートレイアー

 気持ちを切り替えて、今週は、スマートレイアーとともに、シャティン競馬場で行われるG1「香港カップ」(芝2000メートル)に挑みます。おそらく彼女にとっては、これがラストラン……初めて出逢った2013年のデビュー戦から、“大きな勲章が獲れるはず”、そう思い続けて、でも、それが果たせないまま4年半の歳月が流れてしまいました。

――今度こそ。彼女の首に、でっかい金メダルをかけてあげたいと思います。

 今年も残りあとわずか。最後まで、馬の力を、自分の力を信じて頑張ります。

■武豊 プロフィール
1969年3月15日、京都生まれ。1987年の騎手デビュー以後、通算4000勝、日本人騎手初の海外G1制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立て、現在も活躍中。

【武豊】“有終の美”でG1を勝たせたい牝馬

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