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「がん」で死なないための“コツ”とは?

[週刊大衆2018年01月08・15日号]

「がん」で死なないための“コツ”とは?

 日本人男性が罹患する確率は62%。そして死亡確率は25%。そのときが来る前に知るべき重要知識を公開!

 家族や親戚で集まる機会の多い年末年始。会えばまずは健康の話となり、日本人の死因1位・がんの話題になることも多いだろう。そんな国民病に“負けない”ためには、どうすべきか――識者の証言や最新の研究結果をもとに、知っておくべき項目をまとめた。

■タバコ、食事などに気をつけて定期検診を

 がんに屈しないために、まず大事なのが予防策だ。『日本一わかりやすいがんの教科書』(PHP研究所)の著書があり、これまで1万人以上のがん患者を診てきた『健康増進クリニック』(東京都千代田区)の水上治院長は、「がんの原因はたばこ30%、食事や肥満が30%、運動不足が5%。これらの要因に気をつければ3分の2は防げると思っていい」と話すのだ。

 さらに、定期的に検診を受けるニ段構えで対策すれば、がん死亡リスクをかなり下げられるという。ただし、その検査とは、「肺がんには胸部CT検査、胃がんには胃カメラ、大腸がんには大腸内視鏡検査をしてください」(前同)

 部位別の専門検査を行うことで、その兆候を発見しやすくなるということだ。ちなみに、この3つのがんは日本人男性の部位別がん死亡率トップ3。この3つだけで、がんの死因の4~5割をカバーしている。自ら開発した、ほとんど痛みがない「水浸法」という独自技術で、大腸内視鏡検査を4万人以上に実施してきた『新宿大腸クリニック』(東京都新宿区)の後藤利夫院長は、こう話す。

「大腸内視鏡検査は検査であると同時に、大腸にできたポリープやがんを切除する治療でもあります。大腸がんは進行が決して早くないので、2~3年に一度検査すれば、大腸がんリスクは皆無になると言っても過言ではありません」 しかも、この検査は健康保険に入っている人は5000円前後で受けられ、時間も10分程度。がん予防も気軽にできる時代なのだ。

■告知、セカンドオピニオンの重要性

 では、実際にがんになってしまったら、どうすればいいのか。前出の水上氏は、まずは「告知されること」の重要性を説く。「告知を嫌がる人もいますが、がんが進行すれば必ずバレます。自分がどんな病気で、どんな対策を取ればいいのか、判断するためにも、しっかりと告知を受けてください」

 告知が予想される際、あるいは告知された次の受診時には、ぜひ、家族や親しい友人に同行してもらいたい。精神的に不安定な状況では、大事な話を失念することがかなり多いそうだ。「また、余命を聞く患者さんもいますが、医学上の根拠もなく、誰にも分かりません。それに、ショックを感じて立ち直れなくなる場合がほとんど。余命を聞いてはいけません」(前同)

 また、告知を受けた医師の診療や治療方針に納得できないときはもちろん、納得できたとしても、その治療内容が本当に自分に合っているのかを確認するために、セカンドオピニオンを必ず受けるべきだという。

■手術、放射線療法、化学療法で適切な治療法は?

 現在、日本のがん治療では手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3つが「標準治療」とされている。この中から適切な治療法を探ることになり、告知されたその場で「すぐ入院して、手術することをお勧めします」「ちょうどキャンセルが出て、手術室が空きました」などと拙速に手術を勧められてもハッキリ断るべきだというのだ。

「たとえば、肺がんと分かると真っ先に手術となりますが、最近は放射線療法の選択肢もあり得ます。他のがんでも、手術の場合、リスクは低くないですから……」(同)

 とはいえ、抗がん剤は副作用が軽くないので、服用には慎重を期すべきという。「手術できないステージ4以上で他に選択肢がなく、抗がん剤を使用することもあるでしょう。その場合、保険適用の漢方薬を併用することで副作用を格段に軽くできる場合もある」(同)

 また、一般では聞き慣れないが、「ラジオ波焼灼療法」という治療法もある。これは、肝臓がん治療で肝臓を切除せずに手術と同様の効果が得られ、1回の傷口は針1本なので繰り返し行えるというもの。しかも、保険適用内なのだ。

■いい医者と専門病院へ

 このような治療法においては知識と技術が必要となるだけに、医師選びが重要であることは言うまでもない。いい医者と治療を選ぶためには患者自身も、がんの勉強をすることが大切だ。それなりの知識がなければ、選ぶ基準も定まらない。そのうえで、選んだ後でも不信感を抱いたら担当医の“チェンジ”に踏み切ってもいいそうだ。

 さらに、厚労省が定めた地域のがん専門病院『がん診療連携拠点病院』は全国に434ある。がん治療の拠点になるこの病院には、がん患者や患者家族をサポートする『がん相談支援センター』の設置が義務づけられており、気軽に相談することができる。

『国立がん研究センター・中央病院』(東京都中央区)の相談支援センターに所属する宮田佳代子さん(社会福祉士)は次のように話す。「がんと診断された、あるいは、がんの疑いがあるという方はさまざまな不安を抱えます。治療中の仕事はどうすればいいのか、家族が、がんと診断されて気持ちが落ち込んでいる……などです。“こんなことを聞くのも……”などと遠慮せず、ぜひ相談支援センターを利用してください」

●新薬や先進医療の質問も多い

 同センターは、がん患者や患者家族だけでなく、一般の人も利用できて、相談料は無料。医者に相談できないことも、聞きやすい。たとえば、その一つが新薬への質問。「これはよくある質問です。治験薬を使っている病院や医師の情報をお知らせすると同時に、危険性もお伝えします。こうした“新薬”は効果や副作用がまだ、しっかり分かってない場合が多いですからね」(前同)

 同様に、先進医療への関心も高いと言うが、「手術、抗がん剤、放射線が標準治療と呼ばれているせいで、先進医療は、その上を行くように思われている方がいるのですが、実は先進医療はまだ“研究段階”でもあるのです。その意味で、先進医療が標準治療に勝っているというわけではありません。もちろん、どの病院でやっているかはお教えしています」(同)

 治療費が心配な人には、「患者さんの経済状態に対応したプランを考えてあげるのも、相談支援センターの仕事です」(同)と言うから、頼もしい限り。

 そんな、がん専門の「がん診療連携拠点病院」は、地域によって密集具合が異なる。ホームページで簡単に調べられるので、自分の家から、どこが近いのか、事前に確認してほしい。

「最近、がん発症率には地域差があることが分かりました。また、精子に抗がん剤を運ばせて、がん細胞を死滅させる実験に成功した例や、遺伝子情報を利用したがん治療の研究も進むなど日進月歩の世界だからこそ、幅広く情報を得てください」(医療ジャーナリスト)

 国立がん研究センターの調べでは、日本人男性が生涯で、がんに罹患する確率は62%で、死亡する確率は25%(4人に1人)。いざという時のために、“備え”をぜひ確認してほしい。

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