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由伸巨人の復活Vを阻む「5つのアキレス腱」

[週刊大衆2018年01月22日号]

由伸巨人の復活Vを阻む「5つのアキレス腱」

 ビジョンのない指揮官、崩壊するチーム。無間地獄に陥った球団にかつての輝きは微塵もない――!!

■マイコラスがメジャーリーグに復帰

 昨季、11年ぶりのBクラスに転落した巨人軍。2018年の新シーズンは、3年契約のラストイヤーを迎える高橋由伸監督の下で、捲土重来を期すことになる。しかし、チームには、すでに暗雲が漂っている。まず挙げられる欠点が、(1)投手陣の大穴だ。スポーツ紙記者が言う。「昨季14勝のマイコラスがメジャーに復帰。巨人も引き留めようとしましたが、相手が2年18億円の契約では太刀打ちできない。それで西武からFAで獲得したのが、野上亮磨でした」

 巨人でヘッドコーチを務めた野球解説者の須藤豊氏も、こう首をかしげる。「マイコラスが抜けた穴は、とてつもなく大きい。代わりに野上というけど、勝ち星と負けがほぼ同じピッチャー。やっぱり、貯金できる投手でないと」

 野上は昨季キャリアハイの11勝を挙げたものの10敗。しかも巨人はFAの人的保障として、西武に高木勇人を持っていかれ、「これじゃFAじゃなくて10勝投手同士のトレードだよ」(専門誌記者)と嘲笑されることに。「これまでの巨人は、困るとFAで選手を補強してきましたよね。落合博満から始まって、広沢克己、清原和博、江藤智、工藤公康、小笠原道大、杉内俊哉、村田修一。でも、今は大物はみんな海外に行く。FAといったって、ろくな選手が残ってませんよ」(夕刊紙デスク) 確かに、マイコラスの穴は野上では埋まりそうもない。

■外国人の大砲を獲得するも、先行きは不安

 来季、予想される巨人の陣容を見てみよう。投手の先発ローテーションは、菅野智之、田口麗斗、畠世周、FA獲得の野上亮磨の4人は確定。残りの2枠を大竹寛、内海哲也、謹慎が解ける山口俊、吉川光夫らが争う。抑えは、7回が澤村拓一、8回にマシソン、9回がカミネロ。打線は、
1番・中堅 陽岱鋼
2番・二塁 ――
3番・遊撃 坂本勇人
4番・左翼 ゲレーロ
5番・三塁 マギー
6番・一塁 阿部慎之助
7番・右翼 長野久義
8番・捕手 小林誠司
というオーダーだ。

 二塁は吉川尚輝、山本泰寛、寺内崇幸らが競争することになる。16年のドラ1である吉川は、阿部慎之助がトークショーで、「一番期待している。ポテンシャルが高いし、やっぱりドラ1だけある。守備範囲が広く身体能力が高い。(広島の)菊池に守備範囲は匹敵するんじゃないか」とコメント。

 とはいえ、Bクラスが決まっていた最終戦で放った3本が昨季の全安打なのだから、未知数もいいところだろう。17年巨人の最大の問題だった貧打を解消するため、獲得したのがゲレーロだ。由伸監督が就任の際に出した条件「大砲の獲得」がようやく満たされたことになる。この大型補強で「阿部を6番という楽な打順で打たせる」という由伸監督の構想が実現しそうだが、これもどうやら悪手。(2)制御不能な外国人選手という不安要素を抱えることになる。「ゲレーロは、それしかなかったということ。技術は優れているけど、中南米の選手は扱いが難しい。俺も経験があるけど、甘やかすと、すぐワガママを言いだすし、かといって締めつけてもダメ」(前出の須藤氏)

 スポーツ紙の中日担当記者も、こう語る。「ゲレーロは、球団の方針には一切従わなかったですね。雨が降ったら“なんで練習しなくちゃいけないんだ”。打てなくて特打ちを、と言っても“そんなことしない”。しかも、打てないとベンチ裏で大暴れするみたい。ハマスタの三塁側ベンチ裏でバットを振り回して、そこらへんをボッコボコにしたらしいです(笑)」

 中日側は引き止める気はさらさらなく、「もともと、元所属のドジャースと契約が残っていて、年俸5億7000万円のうち、中日の負担は1億5000万円で、お試しみたいなものだった。“もう払えんのでねぇ”って感じです。あとは、巨人といつモメるかが楽しみです」(前同)

 そのゲレーロと巨人は2年8億円で契約。「35本の本塁打のうち、22本がソロ。そのせいか、打点は86と物足りない。得点圏打率も.258と低いんです……」(前出の専門誌記者)

 鹿取義隆GMが奮闘し、先方が出した3年契約の条件を2年に縮めたのが精いっぱい。先行きは不安だ。

■コーチ陣にも問題が…

 由伸監督を支える参謀陣にも疑問の声が上がる。ソフトバンクはV逸した16年シーズンから10人以上のコーチを入れ替え、17年に日本一になった。しかし、11年ぶりのBクラスという屈辱にまみれた巨人のコーチ陣は、ほとんどが残留という結果。「まず、昨季の体たらくで村田真一ヘッドコーチの残留はおかしいでしょう。選手に強く言えるのが村田ヘッドだけ、という事情もあるそうですが……。結局、惨敗の責任を誰も取っていないんです」(民放スポーツ担当記者)

 18年シーズンは、吉村禎章打撃総合コーチ、二岡智宏打撃コーチが新たに一軍コーチとして加わったものの、由伸監督を支える存在がいないのは変わらない。このように、(3)今季の一軍首脳陣は機能不全に陥っている。「一軍と二軍のスタッフを丸々入れ替えればいい。そうすれば絶対勝つよ」とささやくのは、取材歴20年のベテラン記者だ。確かに、二軍コーチの小谷正勝、内田順三、田代富雄らは平均年齢68歳の超ベテランだが、誰もが認める名伯楽。

 さらに、川相昌弘二軍監督についても、「原辰徳監督時代にあれだけ勝てたのは、当時ヘッドコーチだった川相のおかげだよ。彼は中日時代に落合監督にも指導されているし、実は、ナベツネさんからも“本当に有能な男だ”とのお墨付きをもらっているほど。本来なら、川相をヘッドにするべき」(前同)

 昨年の契約更改では、田原誠次がリリーフ陣の希望として“準備を早めに伝えてほしい”とフロントに要望した。これは「ベンチとブルペンの意思の疎通が欠けていた」ことを如実に表している。「17年7月、尾花高夫一軍投手コーチが降格し、斎藤雅樹二軍監督が一軍投手コーチに配置転換。ブルペン担当になった尾花コーチは結局、今季はコーチ陣から外れました。首脳陣は投手陣からの不信感を拭えるか、まず、そこからでしょうね」(前出の民放記者)

■ドラフトでも見る目がなく…

 指導者側に問題はあれど、実際にプレーするのは選手。しかし巨人の場合、その(4)戦力向上も絶望的だという。なぜか……内部事情に詳しい関係者が語る。「巨人は結局、読売新聞グループなんです。外国人補強を担当する国際部でも、担当者がわずか数年で異動になる。親会社の人事異動に関連してのことですが、それで海外とまともなパイプが作れるわけがない。海外の交渉相手が“ヨミウリにはカネはある。ハズレ選手をつかませても、また新しいのを、って言ってくるからオイシイヨ”って、バカにしてるんですから」

 国内の選手獲得を担う編成部も同様で、昨年1月に就任した岡崎郁スカウト部長も、それまでスカウト経験はない。「だから、現場と上との意思疎通がうまくいってない。ソフトバンクや広島と一番差があるのは、間違いなくスカウト。巨人のスカウトは地方大会は見るけど、学校の普段の練習を見に行かないらしいですから。ドラフト直前の挨拶に高校を訪れた担当者が“あの子、なかなかいいバッティングしてますね”と指さしたのが、翌ドラフトの特A候補の2年生で、監督が“巨人には、そんな情報も入ってないのか”とあきれていた、なんて話もあります」(前出の関係者)

 “見る目のなさ”が如実に表れたのが、15年ドラフトでの茂木栄五郎と重信慎之介の例だ。同じ早稲田大学の同期で、ともに左打者。しかし現在、その差はあまりに大きい。重信はドラフト2位で巨人に指名されたものの、出場機会に恵まれず、プロ2年目で、すでに代走要員。

 一方の茂木は楽天に3位で指名され、1年目からショートのレギュラーで出場。2年目の17年、リードオフマンとして大活躍したのは周知の通りだ。「ドラフトのあと、なんで巨人は茂木じゃなくて重信だったんだ? って、アマチュアの連中はみんな笑ってました。あのとき、茂木を獲ってれば……。ショートには坂本がいたから茂木は獲らなかった、という理屈でしょうが、それなら二塁にすればよかったんです。実際、今、空いてますよね」(前同)

 たらればを言っても仕方がないが、編成部のズレぶりが矯正されない限り、巨人軍に未来はない。

■王貞治ソフトバンク会長が高橋由伸監督に激烈なエール

 そして、巨人の来季Vを阻む5つ目のアキレス腱とは、ほかならぬ(5)指揮官・高橋由伸監督の無策采配だ。前出のベテラン記者は、「まったくセンスが感じられない。何がやりたいのか、さっぱり分からない」と切って捨てる。「阪神の金本(知憲監督)だったら、若手を育てて使っていく、という明確なビジョンと“超変革”というスローガンがあった。確かに、金本の場合はやりすぎかもしれないけど(笑)、やりたいことがはっきりあるんだよね。でも、由伸には何もないじゃない。岡本(和真)にしたって、そう。育てるって決めたら、何を言われても岡本を使い続ける姿勢を見せないとダメ。何事も中途半端なんだよ」(前同)

 14年のドラフト1位だった岡本を、由伸監督は毎年“4番候補”に指名。しかしながら、超高校級だった長打力は二軍でしか発揮されず、大型三塁手として獲得したのに、17年シーズンは左翼転向も試される始末だった。

 そんなブレまくりの由伸監督に業を煮やしたか、昨年の12月2日、巨人軍OB会で珍しい一幕があった。乾杯の音頭を取った王貞治ソフトバンク球団会長が、「高橋監督はこれ以上悪い思いはしない。先輩コーチであっても、言うべきことを言って、自分に従わせるつもりでやってほしい。“現場の責任を取るのはオレだ”と、先輩であっても蹴飛ばすくらいの気迫を持って取り組めば、選手も“今年は違うな”と感じる」と、激烈なエールを送ったのだ。

 王会長をよく知る事情通は、この発言に驚きを隠さない。「あの王さんが、ここまでハッキリ言うとは……。それほど現在の巨人が、危機的な状況にあるということです。王さんには、それが分かっているんですよ」

 前出の須藤氏も、「高橋監督は、強烈な自分の色を出してほしい。何もかも平均点を目指すのも一つの方法だけど“身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ”という言葉を贈りたいね」と語る。

 まったくのダークサイドに堕ちたかと思える巨人だが、“最後の希望”がないこともない。「まだ若く、充実した先発投手陣です。エースの菅野が28歳。田口も22歳で、畠も23歳。これだけ若くて粒がそろっているチームは、12球団を見回しても、そうはない」(専門誌記者)

 わずかな光明を頼りに、18年シーズンに挑む由伸監督。その前途には、鬼が出るか蛇が出るか――。

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