日刊大衆TOP 女性向け

初節句の常識「男女別の違い」と歴史的経緯とは

初節句の常識「男女別の違い」と歴史的経緯とは

 赤ちゃんが誕生してから1年間は、お七夜やお宮参り、お食い初めなど多くの伝統行事がある。初節句もその1つだが、他の行事とは違って男の子と女の子の区別がある。今回は初節句について男女別の違いや歴史的経緯などを明らかにしてみたい。

■日本人なら常識!? 初節句の基礎知識

●節句とは

 節句(せっく)とは、季節の節目になる日のことである。節供(せっく)や節日(せちにち)とも呼ぶ。宮中では古くから節句のたびに神へ供物をささげ、お下げした後は人々が集まって宴を催すなど様々な行事を行ってきた。江戸時代に入ると、幕府が5つの節句を公的な祝日としたため、一般大衆にも一気に広まった。

 節句のはじまりは唐の時代の中国にまでさかのぼる。暦の中から陰陽五行説で陰となる奇数が重なる日だけを選び出し、邪気をはらうために季節の植物を食べたことが由来とされている。五節句に関しては、奇数が重なっているとはいえ、縁起のよい数字であることなどから選出されたといわれている。五節句の祝日制度は明治に入ってから廃止されたが、現在にいたるまで、節句を祝う習慣は、伝統的な年中行事として広く定着している。

【五節句】

  • 1月7日:人日(じんじつ)七草の節句
  • 3月3日:上巳(じょうし)桃の節句、雛祭
  • 5月5日:端午(たんご)菖蒲の節句
  • 7月7日:七夕(しちせき)七夕(たなばた)祭
  • 9月9日:重陽(ちょうよう)菊の節句

●初節句とは

 初節句とは誕生してから初めて迎える節句のことである。赤ちゃんの無事で健やかな成長を願って、厄除けとして盛大なお祝いをするのが習わしとなっている。女の子の雛人形や男の子の五月人形などは、降りかかる災厄を赤ちゃんの代わりに引き受ける、厄除けの守り神といった役割を果たすとされている。なお、誕生から21日以内に節句がある場合は、翌年に初節句を祝うのが通例である。

■男の子の初節句は5月5日の端午の節句

 

 男の子の初節句は5月5日の端午の節句である。五が重なることから重五(ちょうご)の節句とも呼ばれる。

●歴史や由来

 古代中国では薬草採りの日とされていた。日本に伝わったのは奈良時代で、宮中では邪気を避けて魔物をはらうとして菖蒲(しょうぶ)を摘み、蓬(よもぎ)と一緒に軒に差したり、菖蒲湯を浴びる儀式が行われた。武家時代に入ると、菖蒲は尚武(=武道を重んじること)や勝負といった言葉と同音であることから、重要視されるようになったといわれている。江戸時代には将軍に男児が生まれると、その武勇を願って盛大に祝うようになり、幕府が正式な祝日に定めたこともあり、庶民も男の子の誕生と成長を祝うようになった。現在も5月5日は祝日だが、こどもの日という名称がついている。

●節句飾り

 端午の節句を祝うための飾りは、家の中に飾る内飾りと家の外に飾る外飾りの2種類に分けられる。

◯内飾り

 五月人形のことを内飾りという。金太郎や牛若丸、弁慶などが代表的で、人形に鎧や兜をつけて飾るのが一般的である。勇ましさを表し、自衛のための道具でもあった鎧兜(よろいかぶと)は、武家時代に育つ男児の象徴だった。現在では鎧兜を飾ることで、子どもを病気や事故から守ってもらいたいという意味が込められている。

◯外飾り

 外飾りは鯉のぼりである。鯉には急流をさかのぼっていくうちに竜に変身して昇天できたという「登竜門」の伝説がある。この伝説と野生の鯉が持っている生命力の強さにちなみ、立身出世の願いを込めて作られたのが始まりとされている。

◯お供え

 厄よけの粽(ちまき)や子孫繁栄の柏餅(かしわもち)が一般的である。

●お祝い膳

◯鰤(ぶり)

 出世魚である鰤を食べて、将来の栄達を願う。

◯鰹(かつお)

 勝つ男と読める鰹を食べて、勝てる男になるように願う。

◯筍(たけのこ)

 筍のように、すくすくと真っ直ぐ育つように願う。

■女の子の初節句は3月3日の桃の節句

 女の子の初節句は3月3日の桃の節句である。上巳(じょうし、じょうみ)の節句とも呼ばれる。

●歴史や由来

 古代中国では川で身を清めて不浄をはらう日とされていた。日本に伝わったのは平安時代で、それ以前から宮中の子女たちの間で流行っていた人形遊びと結びつき、日本独自の伝統文化に発展した。当初は自分のけがれを移した人形を川に流す流し雛(ながしびな)の形式だったが、時代とともに、人の厄を代わりに受けてくれる男女一対の飾り雛が作られるようになった。江戸時代に入ると、雛人形は財力の象徴として華美になっていった。幕府が正式な祝日に定めると、庶民も女の子の誕生と成長を祝うようになり、大々的に雛祭りを開催する町も出てきた。

●節句飾り

◯人形

 雛人形にモデルとなった人物がいるわけではないが、一般的には宮中における婚礼の様子を表しているとされる。雛人形の作り方や飾り方は多種多様だが、メインとなる男女一対の内裏雛(だいりびな)の他は、三人官女(さんにんかんじょ)、五人囃子(ごにんばやし)、随身(ずいじん)、仕丁(しちょう)、調度品や御所車(ごしょぐるま)などの飾りが定番である。雛人形には、今も昔も女の子の健やかに成長し、幸せな人生を送れるようにという願いが込められている。

◯お供え

 菱餅や雛あられ、白酒(しろざけ)、桃の花が一般的である。白酒はアルコール度数が高いため、子どもに飲ませる場合は甘酒で代用することが多い。

●お祝い膳

◯ちらし寿司

 長生きを意味する海老、先々まで見通すことを意味するレンコンなど縁起のよい具材をちりばめる。

◯蛤(はまぐり)

 貝殻がペアになった二枚貝を食べて、相性の良いパートナーに恵まれることを願う。

■飾りは誰が買う? 初節句のお祝い基本マナー

●節句飾りを買う人

 地域によって異なるが、かつては節句飾りを購入するのは母方の祖父母という慣習があった。しかしながら最近では両家が負担して準備したり、夫婦だけで用意するのが一般的になってきている。いずれにしても、飾る場所や収納場所の問題もあるため、買う前にきちんと相談しよう。

●お祝いのやり方

 以前はさまざまな儀式があったのかもしれないが、現在は初節句を祝う方法に、これといった決まりごとはない。両家の家族を招いてお祝い膳を囲む食事会などで済ませる人が最も多いようだ。会場にもよるが、基本的には身内のみで催されるお祝いの席であるため、招いた側も招かれた側も、あまり形式ばった服装で出席する必要はない。

●初節句、離乳食のレシピ

 初節句のお祝いとして食事会をするなら、主役である赤ちゃんにも料理を楽しんでもらいたいところだ。盛りつけを節句飾りの形に似せるなど、ひと工夫したオリジナル離乳食を作ってあげるのがおススメだ。お祝い膳の食材をそのまま使うのは難しいかもしれないが、彩りを考えれば、華やかなパーティー用の離乳食に仕上げることができる。月齢や赤ちゃんの好みに合わせて、アレンジしてみるのも楽しい。

■これが一般的!? 初節句のお祝い金相場と渡し方

 初節句のお祝いに包むべき金額の相場と、現金で贈るときに選ぶべき祝儀袋について解説する。女の子の桃の節句でも、男の子の端午の節句でも、常識的なマナーに大きな違いはない。

●お祝い金の相場

 赤ちゃんの健やかな成長を願って贈るプレゼントとしての性格が強いため、特に決まった金額があるわけではない。地域や年代によっても大きく異なるため、以下はあくまでも参考程度の目安と考えてもらいたい。

◯父方の祖父母:5~30万円

◯母方の祖父母:10~30万円(節句飾りの代金を含む)

◯兄弟や親戚:1万円

◯知人:3~5000円*

●お祝い金を入れる祝儀袋の注意点

 お祝いごとの祝儀袋には、のしと水引がついた袋を使うのが通例である。中に入れる金額の1/100程度の値段の祝儀袋を選ぼう。

◯水引

 紅白の蝶結び。「何度繰り返してもいい」という思いを込めて。逆に「紅白結びきり」はNG。

◯表書き

「御祝」「初節句御祝」など

■まとめ

 初節句は男の子か女の子で、祝う日にちも違えば、用意するもの、食べるものも異なる。しかし、どちらも赤ちゃんの誕生を喜び、無事の成長を祈ってお祝いすることに変わりはない。子どもの誕生から1年間はさまざまな行事があり、家族も育児で大変なときではあるが、ぜひ時間を作って楽しくお祝いしよう。

初節句の常識「男女別の違い」と歴史的経緯とは

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.