日刊大衆TOP 社会

【国民栄誉賞】将棋・羽生善治&囲碁・井山裕太「驚きの天才伝説」

[週刊大衆2018年01月29日号]

【国民栄誉賞】将棋・羽生善治&囲碁・井山裕太「驚きの天才伝説」

 史上初の「永世七冠」と2度目の「七冠独占」は、どれほどの偉業なのか。進化し続ける“生ける伝説”2人の強さとすごさの秘密!

 昨年12月5日の第30期竜王戦七番勝負を制し、史上初の「永世七冠」の称号を手にした将棋の羽生善治氏(47)と、同10月17日の名人戦を制して、2度目の七大タイトル制覇を達成した囲碁の井山裕太氏(28)。前人未到・空前絶後の偉業を成し遂げた2人の天才に、このたび国民栄誉賞の授与が決定。

 だが、一般的にはなじみの薄い囲碁・将棋の世界での快挙が、どれだけすごいか、ピンと来ない人も多いことだろう。そこで、今回は、この授与決定を記念し、2人の驚くばかりの“天才伝説”のほんの一部を紹介しよう。

■史上初めて七大タイトルを独占

 まずは羽生氏だが、将棋との出会いは小学1年。友人に教えてもらったのをきっかけにのめり込み、母親の勧めで「八王子将棋クラブ」に入門するや、メキメキと力をつけていった。「いつもテレビ将棋の棋譜がしっかり頭に入っており、道場では周囲の大人を相手に、誰もついていけない速さで、その解説をしていたというエピソードがありますね」(将棋専門誌記者)

 小学6年で小学生名人となり、プロ養成機関「奨励会」に入会すると、驚異的な速度で昇級・昇段を重ね、1985年、当時史上3人目の中学生棋士としてデビュー。「初年度の戦績は、40勝14敗の勝率.741を記録し、新人賞と勝率1位を受賞。88年、18歳、五段時代の第38回NHK杯で、大山康晴、加藤一二三、谷川浩司、中原誠という名人経験者4人を負かして初優勝。翌89年、竜王戦を制し、19歳2か月の最年少記録で、初のタイトルを獲得しました。そして、それからわずか7年後の96年に史上初めて七大タイトルを独占し、生ける伝説となったのです」(前同)

●チェスでも日本一に!

 本誌の詰将棋の出題者である佐藤義則八段は、その強さについて、こう話す。「戦型の得意、不得意を作らず、どんな局面からでも、勝つための最善の一手を求める姿勢を変えない高い精神性、知らない局面への好奇心こそが、羽生さんの強さの秘密だと思います。先の竜王戦で勝った将棋を見ても、非常に踏み込みがよく、挑戦的な手がいくつもありました。並の棋士の40代というと、少しずつ衰えが見え始めてくる頃ですが、羽生さんに限っては関係なさそうですね」

 この羽生氏、実は将棋ばかりか、なんとチェスの実力も相当のものなのだ。「七冠制覇前後の26歳のときに、趣味で始めたそうですが、月に1、2度の練習しかできない中で、2年後には日本一になっています。以降、将棋の対局の合間をぬって海外の大会にも出場し、好成績を残しているんです」(前出の記者)

 驚きを通り越し、その頭脳のポテンシャルに、もうあきれるしかない。

■七大タイトル完全制覇を2度達成

 一方の井山氏は、名誉称号こそ、まだ3つと、永世七冠の羽生氏にはかなわないものの、七大タイトル完全制覇を2度達成しているのがすごいところ。「2016年に囲碁界で初の七冠独占を達成し、同年に名人位を失うものの、翌17年も神がかった強さを持続して残りの6タイトルをすべて防衛。名人位も取り戻して、再び七冠独占を達成しています」(全国紙囲碁担当記者)

 これがどれだけの偉業か、将棋と比較してみよう。「羽生名人は96年に、囲碁・将棋界を通じて初の七冠独占を果たしましたが、次の防衛戦となった棋聖戦で敗れ、七冠独占は167日に終わり、翌年には四冠に後退しています。そこからも、七冠を2度達成することの難しさがよく分かるでしょう」(前同)

 四冠でも“後退”と言われてしまう羽生氏も恐しいが、史上初の快挙をさらりとやってのける井山氏の強さと天才ぶりには、やはり驚くしかない。「井山氏と囲碁との出会いは5歳。父親が買って来たテレビゲームで囲碁を覚え、3か月後には、父では歯が立たなくなり、半年後に5級、さらに半年で三段にまで駆け上がっています。6歳で囲碁の対局番組に出演すると、大人相手に5人抜きの快挙を成し遂げ、以降、数々の最年少記録を樹立してきたのが、井山氏なんです」(囲碁専門誌記者)

 井山少年は、中学1年でプロ入りを果たすと、「5%しかプロに上がれないというプロ養成機関の院生リーグを、46連勝を含む71勝8敗という圧倒的な成績で勝ち抜けて入段、平成生まれ初の棋士としても注目されました」(前同)

 08年には史上最年少の20歳で名人位を獲得。以降、現在まで快進撃が続く。本誌で「詰碁」の出題をお願いしている小島高穂九段は、その強さの秘密を、こう解説してくれた。「全局的な発想に長けた井山七冠は、決まったスタイルを持たず、どんな碁も柔軟に使い分けながら、常に最強にして最善の手を求めて、妥協することがありません。タイトルを獲っても、守りに入るようなことがなく、まだ進化を続けているのは、そのためでしょう」

●いよいよ世界の頂点も視野に

 現在の日本の囲碁界は、中国、韓国に遅れを取っており、国内では無敵の強さを誇る井山氏も、最新の世界棋士レーティングでは、まだ15位。だが、「昨年11月、井山氏は囲碁の世界棋戦『第22回LG杯朝鮮日報棋王戦』の準決勝で、世界最強とされる中国の柯潔九段を破り、初の決勝進出を決めています。2月の決勝3番勝負に勝てば、いよいよ世界一。着実に世界との差を縮めています」(前出の専門誌記者)

 偉業を達成した2人の天才は、今もなお、進化し続けているのだ。

【国民栄誉賞】将棋・羽生善治&囲碁・井山裕太「驚きの天才伝説」

この記事が気に入ったら
をしよう

いいね!

@taishujpさんをフォロー

大衆のオススメ


オススメタグ


人気記事ベスト10


日刊大衆公式チャンネル


Copyright(C) 日刊大衆 Futabasha Publishers Ltd. All rights Reserved.