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サマータイムのデメリット、日本に定着しない理由とは!?

サマータイムのデメリット、日本に定着しない理由とは!?

 デジタル時計や海外旅行のガイドブックなどで、「サマータイム」という表記を目にしたことはないだろうか。もしくは、Kis-My-Ft2の曲「Sha la la☆Summer Time」を思い浮かべる人もいるかもしれない。サマータイムは、直訳すると“夏時間”。誰もが楽しく過ごしたいイメージを抱くが、その意味や内容を知らないと、トラブルになるかも!? サマータイムのイロハをここで分かりやすく説明しよう。

■サマータイムって何?

 サマータイムとは、欧米諸国を中心に導入されている時刻のこと。1年のうち、日照時間の長い期間に、その国や地域全体で時間(標準時)を1時間進めて生活する制度だ。緯度が高い国では、日本より日の出が早く、暗くなるのも遅い。早くから太陽が昇ってしまうのだから、1日を早くスタートさせて、その分学校や仕事を早く切り上げ、寝るまでの余暇の時間を有効活用をしよう、というもの。

 最初に思いついたのは、18世紀のアメリカの科学者で政治家のベンジャミン・フランクリン。その後イギリスの建築業者ウィリアム・ウィレットが現在の方法を提唱し、1916年にドイツで採用されたのが最初だ。

■サマータイムが導入された理由とメリット、デメリット

●サマータイムのメリット

□省エネルギー効果

 人々の活動時間が1時間早まることで、日没から就寝までの照明などの電力コストを節約できる。

□経済の活性化

 仕事が終わってもまだまだ明るいので「夕食までの間に映画を1本見よう」といった具合に、娯楽や外食、ショッピングといった消費活動が活性化する。また、家族で過ごす時間を多く取れるようになるなど、プライベートを充実させることができる。

□犯罪の抑止

 退勤と帰宅のタイミングが1時間早まることで、夜間の暗い時間帯に起こるひったくりや痴漢といった犯罪を防止することができる。

●サマータイムのデメリット

□システム移行や時刻表変更のコストがかさむ

 ひと言で時計の針を1時間進めるといっても、自治体や企業レベルでは、システムの変更に膨大なコストがかかる。また、夜間に行う花火大会のようなイベントが、より深夜帯になってしまうことも。

□生活リズムが狂う

 毎年のこととはいえ、急に1時間早く起きたり、行動したりすることは、特に高齢者にとっては難しいもの。なじむのに時間がかかったり、体調に異変が生じたりする人も現れる。

□交通事故が増える!?

 ニューヨーク市交通課によると、サマータイムに切り替わってから1週間は、交通事故の発生率が10%以上も増えたことがあるそう。また、カナダのブリティッシュコロンビア州では、交通事故が平均で23%増加するという。睡眠不足のドライバーたちが原因と見られている。

■実施している主な国と、その開始~終了日時

 欧米諸国を中心に採用されているので、その一例を紹介しよう。アメリカやカナダ、オーストラリアでは「デイライト・セービング・タイム(daylight saving time/DST)」という。ヨーロッパの多くは7か月間、アメリカは8か月間と、1年を通してサマータイムの方が長い。

【北半球】

●アメリカ

3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時
※アリゾナ州では廃止。※ハワイでは時差が30分。

●カナダ

3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時
※ブリティッシュコロンビア州の一部をはじめ、複数の地域では廃止。

●メキシコ

4月第1日曜日午前2時~10月最終日曜日午前2時

●ヨーロッパ諸国

3月最終日曜日午前1時~10月最終日曜日午前1時

【南半球】

●オーストラリア

10月第1日曜日午前2時~翌年4月第1日曜日午前3時
※一部の地域では廃止。

●ニュージーランド

9月最終日曜日午前2時~翌年4月第1日曜日午前3時

●ブラジル

10月第3日曜日午前0時~翌年2月第3日曜日午前0時

■実は多い! サマータイムをやめた国々

 サマータイムを実施した結果、社会に混乱を招くことになったり、不評だったりして撤回した経験を持つ国は多い。アイスランド、アゼルバイジャン、イラク、コロンビア、トルコ、フィリピン、モンゴル、ロシア、韓国、中国などがそうだ。アメリカやカナダ、オーストラリアでは、一部の州で撤廃されている。ちなみに、日本から近い東南アジアの国々は、赤道直下に位置し、1年を通して昼と夜の長さに大きな違いがないため、導入されたことがない。

●日本では「サンマータイム」だった!?

 日本では太平洋戦争に敗戦後の1948年(昭和23年)、GHQの指導でサマータイムが導入されている。一度廃止されるが、1949年(昭和26年)のサンフランシスコ講和条約締結時に復活。しかし翌年、日本の主権が回復すると同時に廃れることとなる。当時はなぜか、サマータイムではなくサンマータイムという名称だったようだ。

 平成になって以降も、温暖化対策やワークライフバランスの調和という大義名分のもと、たびたび導入が検討され、北海道や滋賀県などで試験的に実施されたことがある。直近では、奈良県が2012(平成24年)~2017年(平成29年)に実施するも、不評で打ち切りに。現在、実施している地域はない。日本の国土は東西に細長く、タイムゾーンこそ単一だが、地域によって日の出と日没の時間に差異が生じる。また、日が沈んでも湿気が高くムシムシするため、省エネには繋がりにくかった。

●時間を戻し忘れ!? ロシアの珍事件

 ロシアにサマータイムを導入したのは、スターリン。1930年に初めて実施するも、終了日に時間を戻し忘れてしまった。そのまま61年間も、戻し忘れたままに! 当時はその状態に重ねてサマータイムを採用していたので、さぞ国民は混乱したことだろう。2014年にやっと完全撤廃し、最終的にサマータイムとはおさらばした。

■サマータイム期間の時差の計算法

●日本より西にある国/時計を戻す。

●日本より東にある国/時計を進める。

 サマータイム期間の場合は、通常の時差に1時間プラスする。たとえばメキシコは、日本時間よりマイナス15時間(15時間遅れている)。日本時間が午前10時なら、あちらは前日の午後7時だ。サマータイムにはメキシコの時間が1時間進み、時差はマイナス14時間に。日本が午前10時のとき、あちらは午後8時。サマータイムで進んだ1時間分、時差が縮まることになる。

■サマータイムに関して注意したいこと

 電波時計やスマホ、PCなどはサマータイム情報を認識しているので、設定を変更する必要はない。例えばイギリスにいれば、時計の表示は、午前0時59分の次に午前3時へ切り替わる。アナログウォッチを使用している場合は、自分で針を1時間ずらして時刻を調整する必要がある。当然、サマータイムが終わったら1時間戻す。

 標準時とサマータイムが切り替わるタイミングは、夜中の0~3時に設定されている。開始日前と、最終日には、寝る前に時計をセットしておくのがオススメだ。

 特に注意したいのは、海外旅行時や、外国での滞在時。サマータイムに気づいていないと、自分の時間だけ世間より1時間遅れていることになってしまう。「12時だと思っていたのに、実際はもう1時で飛行機の搭乗に間に合わない!」「待っていたのに、バスは1時間前に行ってしまっていた……」なんてトラブルになりかねない。

 アメリカやブラジルのように広大な国では、地域によってタイムゾーンが異なる場合がある。また、同じ国の中に、サマータイムを実施している州としていない州が混在している場合も。現地で情報収集をするのが一番確実だ。

■まとめ

 日本ではなじみの薄いサマータイムだが、導入されている国々の人々にとっては一般的。渡航する際や、海外と仕事のやりとりをする人は頭に入れておかないと、面倒なことになるかもしれない。導入している国としていない国があり、本当にやっかいな制度だが、上手につきあいたいものだ。

サマータイムのデメリット、日本に定着しない理由とは!?

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