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「本当の星野仙一」側近ブレーンが語る驚愕裏話

[週刊大衆2018年02月05日号]

「本当の星野仙一」側近ブレーンが語る驚愕裏話

 グラウンドの中でも外でも、闘将は一流の男だった。不世出の野球人の右腕だった人物が明かす逸話を一挙紹介。

 不動産会社経営者の高山右近氏が、目を細めて笑いながら振り返るのは、1月4日にすい臓がんで亡くなった星野仙一氏(享年70)のことだ。「選手時代の活躍もさることながら、中日・阪神・楽天と3つの球団の監督を務め、リーグ優勝4回、日本一にも1回輝いた名指揮官。“闘将”の異名で知られるように、常に闘志むき出しで試合に挑む姿に、多くの野球ファンがひかれたものです」(スポーツ紙記者) グラウンドで吠える姿は、今も多くのファンの脳裏に焼きついている。

 だが、その一方で意外と知られていないのが、グラウンド外での闘将の姿だ。そこで今回、本誌は公私にわたって星野氏のブレーンだった高山氏を直撃。誰も知らない「本当の星野仙一」を激白してもらった。「仙ちゃんとは、かれこれ20年前に知人の女性を通して知り合ったんですよね。第一印象は“おっとりした人”。熱血漢で気性も激しいなんてタイプにはとても見えなかったね」(高山氏=以下「」はすべて同氏)

 出会った当初は挨拶する程度だったが、星野氏が阪神監督を退任した頃から会う機会が増えたという。「一時期は、週2回は会っていましたね。仙ちゃんがテレビ出演の仕事やらで東京に来るたび、俺と飯を食いに行ったり酒を飲んだりするようになってね。ただ、野球の話はあまりしなかったな。何を話す? ビジネスの話が多かったかな」

■がんを悟られぬよう、化粧をして…

 星野は、最後まで自分の弱さを見せない人物だったという。「すい臓がんであることは、俺にも教えてくれなかった。“背中が痛い”とは言っていたけど、がんであることは隠していたんだよ……それがあの人のポリシーだったんだろうね」

 事実、星野氏は亡くなる1か月前の2018年11月28日、自身の『野球殿堂入りを祝う会』に出席。しかも、出身地の岡山、大阪、仙台と、ゆかりの地で開かれた祝賀会をハシゴする過密日程までこなしたのだ。「今から思うとスゴイよな。背中の痛みをこらえて猫背にもならず、シャキッと立っていた。顔色も良かったけど、あれ、後で聞いたら化粧をしていたそうだよ」

 病に冒されている自分を周囲に悟られぬよう、化粧をしてまで気丈に振る舞っていた根性。やはり、闘将は最後まで闘将だったのだ。

■巨人の誘いを蹴って楽天へ!

 ところで、「仙ちゃんとは野球の話をあまりしていない」と語る高山氏だが、そこは20年来の親友。野球人生のターニングポイントでは、何かと話は聞いていたようだ。その一つが世間に衝撃を与えた10年オフの楽天監督就任だ。「仙ちゃんもかなり悩んでいたよ。本心では巨人に行きたかったんだと思うよ」

 05年には、実際に巨人から星野氏に監督就任へのオファーがあり、実現目前まで行きながら御破算になっていた。巨人軍の首脳もその手腕を認め、相思相愛とも言える関係だった。そんな星野氏が心を決めたのは、楽天の三木谷社長が直接、交渉に訪ねてきたときだったという。「2人で3~4時間ほど密室で話し合っていました。そして話が終わると、その場で仙ちゃんは“楽天に行く”と決意。即断即決のできる男なんです」

●なぜ楽天に行ったのか? 長年の謎が明かされる!

 なぜ、星野氏は、当時は超弱小だった楽天に行ったのか。長年の謎が今、明かされる――。「三木谷社長から提示された条件が、“毎年、補強のため20億円を出す”というもの。これが仙ちゃんの心に響いたんだね」

 阪神で監督を退任した後、オーナー付シニアディレクターに就任していた星野氏は、選手の補強には人一倍こだわりがあった。「資金が毎年、20億円もあれば自分の理想のチームが作れる。巨人なんかに行ったら、そんなことは間違いなくできないからね」

 その結果、星野楽天は3年目でリーグ優勝&日本一の栄冠に輝いた。高山氏がこう振り返る。「今でも覚えているのが、仙ちゃんが“マー君には本当にお世話になった”と呟いたことだね。選手を名指しで褒めるなんて、一度も聞いたことがなかったから、驚いたよ。王や長嶋さえも認めなかった、あの人がだよ(笑)」

 星野氏といえば鉄拳制裁でも有名だが、それに関しても、こんな言葉を聞いたことがあるという。「“俺から殴られるうちが花や”って。それに仙ちゃんは、ただ怒りに任せて鉄拳を振るっていたわけではない。実力はあるのに手を抜いたときだけ、選手を殴っていたんです。その代わり、自分が殴った選手は何があっても一生、面倒を見るんですね」

 まさに男気あふれるエピソード。ゆえに選手たちも星野氏を慕っていたのだ。「仙ちゃんが楽天の監督になってから、選手たちが練習量を自主的に3割増しにしたそうです(笑)。3割増って相当な量ですよ。やっぱり、仙ちゃんのカリスマ性なんだよね」

■台湾の占い師を日本に招いて…

 むろん、星野氏も一人の人間。こんなかわいらしい一面もあった。「14年だったかな。仙ちゃんが体調を崩していた時期、高名な占い師が台湾にいると聞いて、わざわざ日本に招いたんだよ。ああ見えて、仙ちゃんは“占い好き”なんだよね(笑)」

 ゲンを担ぐ一流アスリートならではと言えるかもしれないが、なんとも意外。「その占い師は“あなたには野村克也さんの生霊がついています”と言い出したんだ(笑)。笑うところだと思ったら、仙ちゃんは急に表情が強張ってね。“生霊をお祓いするためには、どうすればいいんですか?”と真剣に質問していて、ビックリしたよ」

 お祓い方法は静岡県内の神社を9か所回って、500万円ほどをお布施するという実に怪しい話なのだが、「仙ちゃんは占い師に会った2日後には俺を同行させて、一緒に朝から神社巡り。よっぽど何か思い当たるフシがあったんだろうね、野村監督のことで……(笑)」

 確かに闘将・星野氏と知将・野村氏は因縁の仲だ。星野氏が死去した際に、「阪神でも楽天でも私の後に監督となり、優勝につなげた不思議な巡り合わせがあった。お悔やみを申し上げるほかない」

 こう野村氏が追悼の言葉を述べたように、「野村監督の育てたチームを仙ちゃんが引き継いで、優勝させたって、どこかで恨まれているかもと、思っていたんじゃないかな」 推測に過ぎないが、ノムさんの生霊を本気で恐れるあたりに、星野氏の繊細な一面が見て取れるのだ。

■アメリカのマイナーリーグを買収!?

 また、野球一筋だった星野氏には壮大な夢もあったという。「アメリカのマイナーリーグを買収しようとしていたんだよ。日本に埋もれている若い選手の受け皿にしたかったみたいだね」

 日本ではドラフトにかからなければ、なかなかプロ野球選手になれない。だが、ドラフトで指名されなかったり、出場機会に恵まれず球界を去った才能あふれる野球選手は大勢いる。そうした若い選手をアメリカのマイナーリーグの球団に入団させ、武者修行させようとしていたという。「仙ちゃんの夢に俺をはじめ、多くの人が協力しようと出資を検討していたんだ。仙ちゃんも7~8億円を出すと言っていて、本気も本気。日本のプロ野球を誰よりも愛していたんだ」

 日本人中心のマイナー球団が誕生すれば、プロ野球選手になりたい高校生や大学生の門戸も広がる。ただ、この夢は叶わぬまま旅立ってしまった。

 それほどプロ野球のことを考えていた星野氏だけに、「長嶋さんや王さんに対しては“優しすぎる!”と言っていたね。お二人とも球界を変えられるだけの影響力があるのに、周りに歩調を合わせすぎて、今のプロ野球の在り方に何一つ文句を言わない。仙ちゃんは、そのことに一種の憤りがあったんだろうね」

 長嶋氏や王氏には、もっと球界のために頑張ってほしい。星野仙一だからこそ言える言葉ではないだろうか。「仙ちゃんみたいな監督はもう出てこないんじゃないかな。監督としての素質はもちろん、政治力もあり、人脈も広い。そんじょそこらの“野球人”ではなかったからね」

 惜しい人を亡くしたと改めて思うが、高山氏は最後に、こう振り返った。「それでもまあ……一番いいときに死ねたのかもしれない。死ぬときまで楽天球団の副会長として、ずっと大好きな野球に関わっていられたんだからね」

 生涯、野球に情熱を捧げて、激しく生き抜いた闘将の70年。「本当の星野仙一」は、どこまでも格好いいヒーローであった。

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