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真夏の高速道路「死なないための超運転術」

[週刊大衆08月18日・25日合併号]

大事故多発地帯から熱中症対策まで!

帰省に旅行にと、お盆の時期に利用する機会の増える高速道路だが、実は、多くの危険が隠れている場所でもある。

そして、その猛威がさらに強まる時期が、この真夏なのだ。せっかくの行楽気分も、わずかな判断の遅れや突然の異常気象によって、死屍累々の地獄絵図に変わってしまうかもしれない。

そこで、本誌が高速道路に詳しい識者に徹底取材し、ドライバーはもちろん、同乗者の命を守るための運転術をまとめた。この夏の運転の前に、ぜひ本誌を読んで、準備の一端としていただきたい。


魔のカーブ&橋から今夏の予測まで!
危険箇所編


制限速度100キロという高速走行においては、普段の走行時には問題にならない道路の構造が、ドライバーに危険を招きかねない。たとえば"トンネルを抜けた直後というのは目の前が真っ白になり、視覚を失うために事故を起こしやすい"というのは、ドライバーの常識だが、その"逆"はあまり知られていない。

「明るい場所からトンネルに入ると、一瞬、周りが真っ暗に感じて何も見えなくなることがあるんです。この危険な現象の経験がある人も多いと思いますが、実は、これは年齢を重ねるほどに強くなります」こう話すのは、くるま総合研究会代表の相川潔氏だ。

トンネル付近で事故が多発するのは、これら入り口と出口の"視覚喪失"によるものと考えられるが、そうなると怖いのは高速道路の「トンネル連続部」だ。

「こうした箇所は、実は日本中にあります。なかでも、名古屋と北陸を結ぶ東海北陸道は全線において、また、山陽道の姫路市近辺の権現湖PA~龍野ICや、中国道の広島北JCT~吉和IC間は要注意です。というのも、この3か所は長短のトンネルが不規則に連続するので、危険度が増すんです」(交通ジャーナリスト・村松虎太郎氏)

その対策として前出・相川氏は、「トンネルの入り口・出口の両方で、直前に目を細めることで、明るさや暗がりに慣れさせることができます。ただし、出るときより入るときのほうが目の反応が鈍くなることを念頭に入れておいてください」

また、道路の構造上、時間や季節を問わず、常に強烈な横風が襲う地点もある。

「現在、東京と大阪を最短で結ぶルート上にある伊勢湾岸道は、まさに代表例。自分のハンドル操作に集中しなければならないのは当然ですが、周囲の車のよろつきにも気を回さないと、接触事故に繋がってしまいます」(前同)

トラック会社を経営する運転ジャーナリストの千賀伊博氏は、注意点として「車高の高い車の周りを走らない」ことを挙げる。

「車高が高ければ風の影響を受けやすいので、その周囲を走行するなんて危険です。大型トラックはまだしも、4トン級のトラックは車体が軽いため、横転事故を起こしやすいですよ」

また、速度標識の設置場所がもたらす危険箇所にも注意が必要だ。

「東北道の上り線では、すべての車が浦和料金所で一度停まらなければいけません。そのための減速表示が本線上でなされているため、それに従う車がいる一方で、減速表示がかなり前からされているために、無視して高速走行する車もかなりいるんです。速度の異なる車両が入り乱れるこの区間は、いつも危険に感じますよ」(トラックドライバー)

さらに、上信越道の更埴(こうしょく)JCTの急カーブも、それに近い。減速しなければ曲がり切れないため、40キロ規制になっているのだが、その道路標識が掲げられているのは、問題のカーブの500メートル手前だという。

「その標識を見て、本線の上限速度(80キロ)から減速したものの、なぜ速度制限があるのか不思議に思うほど、直線が続くんです。でも、その後に急カーブが突然現れるので、初めて通ったときは急ブレーキで対応するしかありませんでした。道路標識が、無用な危険を生みかねない場所ですよ」(製造業の営業マン)

また、お盆や年末年始の繁忙期に、いくら注意を呼びかけても一向に減らない事故が、渋滞車列への突っ込み事故だ。

「事故渋滞を除けば、渋滞する場所は基本的に"常連"の場所がほとんど。そのうえ、日本道路交通情報センターが繁忙期の渋滞予測を出しているほか、リアルタイムの渋滞情報を携帯電話でも見られるサイトで公表していますから、高速道路の利用時はぜひ活用してほしいですね」(前出・村松氏)

同センターによると、このお盆は10キロ以上の渋滞が全国で389か所予測されており、ピークは、下り線が13日、上り線が16日。特に、今年は上り線の渋滞が多く発生する見込みだ。

また、地点別にみると、東名高速上りの大和トンネルで50キロ(16日午後4時頃)、神戸淡路鳴門道上りの舞子トンネル出口で47キロ(16日午後6時頃)の渋滞を予測。また、上りの高坂SA付近(16日午後5時頃)と関越道下りの東松山IC付近(13日午前8時頃)、東名下りの伊勢原BS(同)、中国道下りの宝塚東トンネル(同)の4か所で35キロの渋滞発生が見込まれている。

前述した追突事故以外にも気をつけたいのが、バッテリー。

渋滞で車が動かないまま長時間エアコンをガンガンに使用し続けると、バッテリーが上がってしまう恐れがあるからだ。といって、冷房を止めれば発汗作用で脱水症状や熱中症を引き起こしてしまう。

ドライビングアドバイザーの小森玲子氏が言う。

「不測の事態を防ぐため、塩レモン水やスポーツドリンクを用意しておくといいでしょう。ミネラルウォーターでは、トイレが近くなってしまいますから」

せっかくの帰省や行楽を台無しにしないためにも、出発前のチェックや準備を欠かさずしていただきたい。


ゲリラ豪雨や猛暑による災難を回避異常発生編

夏は高速道路の走行環境に異常が発生しやすい季節でもある。その筆頭が、ゲリラ豪雨と雷雨だ。

突然の激しい雨に見舞われ、ワイパーを最大で動かしても周囲は何も見えないままで、追突や衝突の恐怖を感じた経験を持つ読者も多いのではないだろうか。

「高速道路走行中にゲリラ豪雨に襲われた場合は、できるだけ早く車を停めたいので、近くのSAやPA、最悪は高速バスの停留所に避難してください。路肩に停車するのは、他
の車と衝突する可能性がありますので、かえって危険です」(相川氏)

また、こうした雨は降っているときはものすごい勢いだが、「大抵は15分程度で収まります。逆に、その中を強行しようとすると雷雲とともに車が移動、延々と雨の中を走るなんて事態もありえます」(前同)

さらに、別の対策術を教えてくれるのは、自動車評論家の吉田由美氏だ。

「首都高横羽線の羽田トンネルなど、冠水しやすい場所は、できれば通行しないほうがいいですね。ほかにも、水はけの悪い部分は特に注意が必要です。また、フロントガラスを撥水コーティングすると視界が良くなり、事故防止につながります」

さらに、運転中とはいえ気をつけなければならないのが熱中症対策だ。

千賀氏は、自身が経営する運送会社の経験談を話す。

「ウチの運転手も、配達先での荷卸し中に熱中症で倒れてしまいました。原因は、冷房をギンギンに効かせた車内環境から降車してすぐに炎天下で作業をしたこと。ですから、冷房を効かせて走行する際、目的地に近づくに連れて車内の温度を少しずつ上げ、最後に窓を開けて外気を取り込んでください。徐々に体を慣らしていくことが大事です」

さらに、夏のドライブを恐怖に陥れかねないのが、タイヤトラブルだ。

「真夏の高速でタイヤのバースト事故はかなり多いんです。すり減ったタイヤを装着して炎天下を走行すると、次第に高まる空気圧によってバースト。大事故につながりかねません。タイヤをローテーションしたり、バルブ交換をすることで、未然に防げる部分もありますので、普段の走行中にハンドルがガタガタすると思ったら、まずはタイヤを点検してみてください」(前出・小森氏)

高速道路で車が停まってしまったら一大事。異常気象などの被害者にならないためにも、メンテナンスをしっかりしておきたい。


一瞬の油断が大事故につながる危険地帯都市高速編

高速道路といっても、東名や東北道など日本の大動脈として走る高速自動車国道とはまったく異なる心構えが必要なのが、首都圏、名古屋、阪神圏、福岡圏に張り巡らされる都市高速だ。

「まず第一に、都市高速には路肩がありません。もちろん、非常駐車帯は一定間隔で設置されていますが、緊急事態が発生したら、そこまで走るのは困難です。私も以前、首都高を走行中にタイヤがパンクしてしまい、走行車線上に緊急停車した経験があります」

こう話すのは前出・千賀氏。追い越し車線を走っていたそうだが、なんとか走行車線に移動したという。

その後、後続車に停車を知らせて衝突を防ぐために、ハザードランプを点灯させ、車両後方に三角表示板を設置しなければならないが、その際、さらに注意が必要なのが車から降りる瞬間だ。

というのも、昨年10月、お笑いタレントの桜塚やっくんが中国道で事故死したが、それこそが、事故後に降車したところを後続車にはねられたからだった。

「都市高速は路肩がないですから、絶対に運転席から出ず、助手席側から降りてください。車を高架上の遮蔽壁にピッタリ寄せて停車しても、縁石との間に20センチ程度の隙間が生じます。そこから体を横にして外に出てください」(前同)

その後、JAFのロードサービス車などが来るまで待機するしかないが、なかには、この際、さらに"不測の事態"を招いてしまうドライバーもいるという。

「都市高速には緊急用の避難口が設置されていて、そこから階段を伝って地上へ降りられるようになっていますが、実は、その避難口は"オートロック式"になっているんです。首都高でガス欠になったドライバーが地上のGSまでガソリンを買いに行ったのはいいものの、戻って来られず、そのまま車を首都高に放置した状態になってしまったという話もあります」(相川氏)

都市高速が抱える危険はほかにもある。

それが、多くの車線変更を短距離間で必要とするICやJCTの利用だ。

「たとえば、阪神高速1号環状線の土佐堀ランプから北浜出口や近畿道へ抜ける場合、短い距離内で3回の車線変更を必要としますが、渋滞している場合、うまくできないこともあります。焦って移動しようとして周囲の車と接触したり、逆走するなんてことを避けて、ムリな場合は次の出口で降りたり、もう1周するなど冷静な対応が望まれます」(前出・村松氏)

また、首都高には左右の両方に入り口・出口があり、走行車線を走っているときに、出口が追い越し車線側だと気づき、慌てるドライバーも少なくない。

「出口が右側にある場合、事前に《右出口》と表示されているので、それを見逃さないでください。それから行き先については、4号新宿線は《4》、5号池袋線は《5》などと数字で方面が表示されていますので、自分が行きたい方面の数字を事前にチェックすることも大事です」(相川氏)

それなりの運転技術や知識が必要な都市高速だが、利用する前の"予習"も危険リスクを下げてくれる。

以上を参考に、どうぞ安全運転を!

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