天才ルーキー長嶋茂雄「2年目のジンクス」展覧試合と石原裕次郎、川上哲治「鬼のしごき」長嶋茂雄と王貞治「愛と憎しみの60年秘話」の画像
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 2月から各チーム一斉に春季キャンプに突入。2022年ペナントに向けた戦いがスタートするプロ野球だが、注目したいのがルーキーたちが直面する“2年目のジンクス”だ。

「大ブレイクした選手が一転して不調に陥ったり、余勢を駆って、さらなる飛躍を遂げたり……。選手にとって2年目シーズンは、“鬼が出るか蛇が出るか”予想がつかないものなんです」(球界関係者)

 今シーズン、2年目を迎える注目選手は、防御率0.86、37セーブでセ・リーグの新人王に輝いた広島の栗林良吏(25)。そして、惜しくも新人王は逃したが、24本塁打を放ち、前半戦の猛虎の快進撃を支えた阪神の佐藤輝明(22)。同じく阪神から、打率.273、30盗塁を記録し、ショートのレギュラーに定着した中野拓夢(25)らが控える。

「新人王は栗林に譲りましたが、“新人特別賞”に輝いたDeNAの牧秀悟(23)も楽しみです。プロ1年目ながら打率.314、22本塁打、71打点と大ブレイク。新人で3割、20本超えを果たしたのは、長嶋茂雄、石毛宏典、清原和博に続く史上4人目の快挙ですからね」(スポーツ紙デスク)

 また、ルーキーではないが、昨季に覚醒し、パ・リーグの本塁打王を射止めたのが“オリックスのラオウ”こと杉本裕太郎(30)。

「杉本は22年シーズンで7年目となりますが、“覚醒”から数えれば今季が2年目。このままチームの主砲として定着できるのか、見ものですね」(前同)

 多種多様、悲喜こもごもの2年目シーズン。では、“ミスタープロ野球”長嶋茂雄は、どんな活躍を見せたのか?

■打率5割ジャスト、最高の滑り出し

 昭和34年(1959年)、2年目のシーズンを迎えた長嶋。開幕の相手は2年連続で国鉄だった。“打撃の神様”と称された川上哲治が前年に現役を引退し、ヘッドコーチに就任。巨人の新たな4番には、長嶋が座っていた。

 開幕戦、国鉄のエース・金田正一は絶好調で11個の奪三振を記録。チームは2-3で惜敗したが、長嶋は7回裏の3打席目に1-3(ワンストライク、スリーボール=以下、カウントの表記は当時のもの)から左翼席にホームラン。国鉄との開幕3連戦は、10打数5安打と打ちまくった。

 5安打のうち長打は4本(二塁打2、三塁打1、本塁打1)で、打率は5割ジャストと、最高の滑り出しだったと言える。

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