■思いだすのは00年代の「女性芸人」ブーム

「昨今、テレビなどのコンプライアンスで、容姿イジリが難しくなっている現状も踏まえると、考えさせられる言葉です。たとえば南海キャンディーズも、山里亮太(43)はしずちゃん(44)を容姿ありきで選んでいましたからね」(お笑い評論家)

 南海キャンディーズが結成した03年ごろ、世間には「男女コンビ」が少ないことに目を付けた山里は単に「かわいい女子と気持ち悪い男」ではウケないと考えた山里は「インパクトのある女性」「怪物」を欲した。

 そこでしずちゃんを口説き落としてコンビになってもらい、「ちっちゃい子供に花をあげる」「小鳥が肩に止まってひと休みしに来る」「村を鉄砲水の危機から止める」というイメージの「怪物」をやってもらうことを強要し続けていたことを18年に『しくじり先生』(テレビ朝日系)で明かしている。

「実際、一時期はあの山里が“じゃないほう芸人”とされるほど、しずちゃんは強烈なインパクトを残していましたからね……。思えば00年代前半は、まちゃまちゃ(45)が“摩邪(マジャ・コング)”としてプロレスラーのマイクパフォーマンス風の漫談をしたり、女王様キャラのにしおかすみこ(47)や、アブない雰囲気の鳥居みゆき(40)のように“強烈なビジュアルや言動の女性芸人”が流行していた時代でした。この世代を観ているとやすともの指摘は、“キャラ芸人になりがち”という問題点の指摘にも感じますね」(前同)

 また、「お笑いトリオで一人だけ痩せている」3時のヒロイン福田麻貴(33)は21年4月19日のWEBメディア『charmy』の連載コラムで、こう語っている。

《私は芸人になる時にまず一番に、どうやってイジってもらうかを考えた。見た目にインパクトのなかった私は、初対面から最速でイジってもらうために、「元アイドル」というのをフリにした出方をして「どの顔でアイドルやってんねん!」を引き出した。「お前、ブスやで!」と言われてたくさんの人に笑われて、ガッツポーズで帰路につく女が存在するのはこのお笑いの世界だけだろう》

 大物芸人である海原やすよ・ともこも肌身に感じているお笑い界の「男女の違い」。

 これからの世代の女芸人は、何を思うのかーー。

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