■カレーを食べた後、サウナで整う

 “カレーの王子さま”みたいなウブな顔して、カレー教の布教を始めた北村が行きつけにしているのが、池袋や秋葉原などにある「カレーは飲み物」だ。20年11月20日放送の『A-Studio』(TBS系)でそう明かした。要町寄りの旧池袋1号店(現在は東口に移転)でカレーをガッツリ食べた後、ご近所のサウナかるまるに向かい、バッチリ整えるのがルーティンだった。西武池袋沿線で育ち、暮らす者にとっても、これら店名はなじみ深い。

 「カレー(※正確にはライス)は飲み物です」といえば、ビジーフォーの元メンバー、故ウガンダ・トラの名言である。大食漢で早食いのトラが「カレー飲み」を特技としていたので、いつしか彼の決め台詞になった。これにあやかって「カレーは飲み物」という店名をつけたのだ。

 オープンは2012年。その後流行った文章店名の草分けとされる。「なぜ蕎麦にラー油を入れるのか。」というキャッチコピーが店名より目立つ、と注目を浴びた「池袋 壬生」を皮切りに、カレーの後にはとんかつ、焼きそば、ハンバーグと「飲み物。」シリーズの新店舗を続々オープンさせた、株式会社のみものが経営元だ。

 カレーは飲み物の基本メニューは「赤」と「黒」のカレー2種類のみ。ライスは小盛(200g)でも大盛(450g)でも値段が変わらない。さらに10種類の中から3つを選べるトッピングが料金に含まれる。玉ねぎをとことん炒めた欧風の黒は豚肉、トマトをふんだんに使った赤は鶏肉が具材で、皿に盛られた黄色いターメリックライスとは別に、小鍋に溢れんばかりによそわれたカレーソースが提供される。まさに飲み物感バッチリだ。北村が独自の飲むカレーを考案したのも、当然こちらにインスパイアされたからだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4