誰もが憧れるチームの命運を握りし漢たち。重圧と戦いながら、結果を残した彼らの雄姿をプレイバック!
今年も、球界の“若き主砲”たちの熱い対決が繰り広げられている。
「目下、セ・リーグは巨人・岡本和真(25)とヤクルト・村上宗隆(22)、DeNA・牧秀悟(24)の三つどもえ。岡本の“3年連続二冠”を村上が阻止できるかに注目が集まりますが、一方の牧は現在、首位打者。本塁打、打点も2人に肉迫しており、2004年のダイエー・松中信彦以来となる三冠王にも期待がかかります」(スポーツ紙デスク)
そこで今回のテーマは、チームの顔たる“4番打者”。あの王貞治をして「4番はチームの命運を握っている存在」とまで言わしめた、スラッガーたちの真の実力を探っていこう。
中日、楽天で史上3人目となる両リーグ本塁打王に輝いた和製大砲・山崎武司氏は、近年の4番について、こう話す。
「野村克也さんも“野球はエースと4番だ”と、口を酸っぱくして言っていましたし、僕自身も“4番こそが最強の打者”と思ってやってきたタイプ。だから、そのステータスが薄れつつある近年の風潮は、少し残念でもあります」
その点、パ・リーグに比べて、DH制のないセ・リーグのほうが従来の“4番像”を残しているという。
「セ・リーグ6球団は、まだ4番が打線の中心に、どっしり座っている印象がある。牧なんかも、オースティン不在で代えがいないという事情はあるにせよ、十二分に、その役割は果たしているからね」(前同)
実際、その牧の得点圏打率はリーグトップで、唯一の4割超え。ここ一番の勝負強さでは、岡本や村上も期待通りの働きをしているが、4番としてのチーム貢献度では、牧も負けず劣らずだろう。
対照的に、苦しんでいるのが中日のビシエド(33)だ。
「年齢的な衰えもありますが、彼の場合はとにかく性格が素直で、とてもいい。開幕前に、立浪監督から“(本塁打を)40発打ってほしい”と言われ、それに律儀に応えようとして、逆に調子を崩しちゃった可能性も十分ありえますね」(同)
一方、本塁打数でリーグ4位につける阪神・佐藤輝明( 23 )も、2年目のジンクスを感じさせない活躍ぶりだ。5月最後のロッテ戦でも3戦2発と、ここへきて調子を上げつつある。
開幕以降の“大コケ”に苦言を呈し続けてきた、阪神OBの藪恵壹氏が言う。
「掛布雅之さんも“4番はチームの勝敗を背負ってこそ”と、よく言っていた。だから、佐藤輝明を4番に座らせるのは、ちょっと早かった気はするね。やっぱり、4番は実力でつかみ取るもの。他に適任がいないのが問題だけど、得点圏打率が2割台前半というのは物足りない」