16歳の少女にみだらな行為をしたとして、警視庁少年育成課は6月22日、東京都青少年健全育成条例違反の疑いで、職業不詳の小川雅朝容疑者(32)を逮捕した。
東京・歌舞伎町の「トー横」と呼ばれる一角で炊き出しや清掃活動をしているボランティア団体「歌舞伎町卍会」の代表で「ハウル・カラシニコフ」と名乗り、未成年から支持を集めていた。警視庁は2021年11月以降、小川容疑者が20回以上も少女を自宅に連れ込んだとみて調べているという。
そんな小川容疑者を「善人」のように持ち上げて取り上げたのが『クローズアップ現代』(NHK総合)だった。2月22日の放送では「『トー横キッズ』~居場所なき子どもたちの声~」と題して、ボランティアに励む小川容疑者を「ハウル」として登場させた。
放送後、番組公式HPに記者の「取材note」がアップされ、取材した同局記者は以下のように綴っていた。
<ブルーに染めた長髪にサングラス。見るからに怪しい雰囲気で、最初はこちらも警戒していて、取材するのはどうしようかというのが正直なところだった>
<本名や年齢などは明かしませんが、4年前から歌舞伎町でホストなどをして生計を立ててきたといいます。週末になると、手作りの食事を無料で提供しています>
<援助交際をしている少女に対して、「このままだと一生カモにされるかもしれないよ」と厳しい言葉で諭す姿も何度も見た>
「『クローズアップ現代』は小川容疑者を、未成年たちに手を差し伸べるヒーローのように持ち上げて放送してしまったんです。番組側もダマされたと言えばそれまでなのでしょうが、数か月かけて取材したにもかかわらず、本質を見出すことができなかったとも言えます。
NHK局内では小川容疑者を持ち上げたことだけでなく、“歌舞伎町の子どもたちを見世物にしただけの浅い内容”という指摘も出ていて、かなり問題視されているといいます」(制作会社関係者)
小川容疑者の逮捕後、『クローズアップ現代』の公式HPには「その後の取材に基づき、6月22日、記事を修正しました」と断り書きがされ、小川容疑者についての記事をすべて削除している。
「同放送回は、放送批評懇談会の『2月度ギャラクシー賞月間賞』も受賞しているため、NHK内部ではさらに波紋を広げそうです」(前同)