■思い出す「千鳥と中岡の圧倒的お笑いセンスの差」

『イッテQ』で中岡が行った企画のひとつに「水中卵チャレンジ」があった。これは、上部が開いた透明の円筒に下から頭を入れ、上から水を注いで満たしたあと、その水中に落とした生卵を口に入れて食べられれば勝利、という危険なゲーム。

 今回は、青山学院大学卒の“高学歴カメラマン”金子と中岡がお互いに水を注ぎ合い、双方が卵を食べるという形のダブルチャレンジとなったが、中岡が金子カメラマンのための卵を、水中に入れられず地面に落とすという大失態。

 金子も中岡もそれに気づかず、金子に向かって中岡が「何してんねん!」「見とかな!」と激怒。最終的にビデオチェックをして、自分が水中に入れていない、という事態に気づいて「ごめん!」と謝罪する、という一幕があった。

「中岡のシーンは大いにウケてはいたんですが、この水中卵チャレンジは、21年10月3日に放送した『DASHでイッテQ! 行列のできるしゃべくりナンデス! 日テレ秋のコラボSP』でゲスト出演した千鳥とかまいたちが披露した際のほうが、圧倒的にウケていたんです。はからずも、この場面を思い起こさせる形になりました」(前同)

■2分でとことん詰め込むことができる千鳥とかまいたち

 挑戦前に大悟「用意されていた水を入れるためのバケツで手を念入りに洗う」という予想外のボケを披露。ノブの「畑仕事にでも行ったんか!」「トイレ行っても手洗わんやん」という嘆きに絶妙な表情で「洗わんよ?」と悪びれることなく大悟が返すことで、まずひと笑い。

 追い打ちをかけるように「でも水って他にも……」濱家隆一(38)がなにかを取りに行くと見せかけて“うっかり”バケツに足を入れるというボケ。

 その後も、透明の円筒容器に頭を突っ込んだノブに「息を止めたらOKして?」といかにも本番っぽい空気を出しながらも、大悟がノブのズボンを降ろし、ノブが「いや~ん」と叫んだことで、スタジオは大爆笑。

「何がいや~んやねん。QTubeマジで2分くらい。やりすぎやねん」と嘆くノブだが、裏を返すと短時間でここまでのボケを詰め込んで笑わせることができるという、千鳥の凄みを見せつける形となっていた。さらに重ねて、大悟が円筒容器にゆっくり水を注ぐと、たまらずノブが容器から頭を抜いて「ゆっくりぃ!」と叫び「マフィアの消し方じゃない」というさえわたったツッコミを披露。

 そして、トドメは水を注ぐところまではボケずにやったあと、卵を投入する際に大悟はそのまま殻を割らずに放り込み、ノブが「固体」とツッコみ、「一番パターンあるお笑いかもな」と大悟が言ったところで、千鳥劇場は終了したのだった。  

「実のところ、いつものQTubeとは比べ物にならない撮れ高ぶりでしたね。千鳥とかまいたちは、いまもっともワードセンスが冴えわたっている芸人と言っても過言ではない。『鬼レンチャン』がここまでの存在になっているのは、単なる歌のチャレンジだけでなく、今回の“もっと木山”“細シャ”“細魚”に代表されるようなツッコミで人気を博している部分がある。

 そんな強力なウラ番組が潰しにきているわけですから、『イッテQ』もうかうかしていられないと思いますよ」(前同)

 かつて、バラエティ番組の王者だったフジテレビ。日曜を制するのが日テレからフジテレビに戻る日が来るかもしれないーー。

  1. 1
  2. 2
  3. 3