趣里、朝ドラ『ブギウギ』ヒロイン決定でわかった「NHKの最新トレンド」【NHK朝ドラを専門家が徹底解析】(2)の画像
趣里 ※画像はNHK公式ホームページより

 10月15日、趣里(32)が2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロインを務めることが発表された。

「趣里は国民的ドラマ『相棒』で知られる水谷豊(70)と伊藤蘭(67)の娘で、いわゆる“2世”芸能人ではありますが、既に女優として独自の地位を確立していましたよね。最近は『ちむどんどん』の黒島結菜(25)や『カムカムエヴリバディ』の上白石萌音(24)、深津絵里(49)、川栄李奈(27)など、朝ドラヒロインには、すでに女優として実績がある方の起用が続いていますね」(夕刊紙デスク)

 趣里の起用に際して、朝ドラ視聴者からは「今の朝ドラは演技の経験があまりない新人がヒロインになるってことはあんまりないよなあ……」「なんか最近の朝ドラ、守りに入ってる? 無名の新人じゃなくてすでに名の知れた女優さんの起用が多い気がする」と、「新人女優の登竜門」としての朝ドラ主演の起用を期待していた声もSNS上に多く投稿されている。

 そこで、本誌は朝ドラに関する記事を多く執筆し、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などの著書がある田幸和歌子氏に、2010年以降の朝ドラヒロイン起用の傾向を分析してもらった。

 なお、NHKの朝ドラは、前期はNHK東京放送局(※コールサインのJOAKからAKの略称で呼ばれる。以下AK)、後期は大阪放送局(※コールサインのJOBKからBKの略称で呼ばれる。以下BK)が基本的に交互に制作することで知られている。

「近年は、BKの作品にオーディションヒロインが多いのは確かなんですが、他にも傾向があります。オーディションでヒロインに起用された方は、他の朝ドラにヒロインの姉妹役などで出演歴があるんです」(田幸和歌子氏=以下同)

 土屋太鳳(27)主演の2015年度前期作品『まれ』、波瑠(31)主演の15年度後期作品『あさが来た』、高畑充希(30)主演の16年度前期作品『とと姉ちゃん』、葵わかな(24)主演の17年度後期作品『わろてんか』など、15年~17年にかけてオーディションを経てのヒロインが続いていた、と田幸氏は話す。

「オーディションで起用された方の中で、土屋さんは2014年度前期作品の『花子とアン』、高畑さんは13年度後期作品の『ごちそうさん』にヒロインの妹役で出演していました。オファーヒロインでも、20年度後期作品『おちょやん』で出演を務めた杉咲花さん(25)は16年度前期作品『とと姉ちゃん』でヒロインの妹役で出演していて、言ってみれば“お試し期間”のようなものを経てからヒロインに起用される、という流れがありますね」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4