コロナ禍の収束に伴い、日本に戻って来た外国人観光客。インバウンド需要に沸く全国の観光地だが、その一方で、仰天のトラブルが続出している。
「歯ブラシ程度のアメニティなら分かるんですが、旅館の浴衣やドライヤー、布団、さらに洗浄機能つきトイレの便座まで持ち帰ろうとした外国人観光客も過去にいました。ホテルの朝食バイキングでは、持参したタッパーに食べ物を詰め込むのも“定番”。注意されても“お昼に食べるの”と平気な顔でした」(ツアーガイド)
だが、中には一線を越えてしまう不届き者も。
■中国人観光客が天然記念物を
「沖縄県では6月14日に、中国人観光客の男女2人が、天然記念物のオカヤドカリを獲ったとして、文化財保護法違反で逮捕されました」(全国紙社会部記者)
押収されたヤドカリの数は、なんと683匹!
「男女は“食べるために捕った”と供述していますが、中国では、オオヤドカリはペットとして飼われているそう。転売目的の疑いもあると見て、捜査しています」(前同)
そうした困った観光客は、他の地域にも出没中だ。
「6月17日、静岡県伊豆市の浄蓮の滝から、外国人男性が滝つぼにダイブしたんです。浄蓮の滝は石川さゆりの『天城越え』の歌詞にも出てくる名瀑布です。居合わせた客が偶然、撮影した動画をネットに投稿すると、批判の声が湧き起こりました」(地元放送局記者)
浄蓮の滝観光センターの浅田和久社長も、こう嘆く。
「滝の高さは25メートルとビルの7階程度にも相当するし、滝つぼは10メートル以上と深く、底に潜ったら浮き上がれない。ちょっとずれて浅瀬なら、岩場に墜落します。死亡など大事故にならなくてよかったと思いますが、あきれています。これからは“飛込禁止”の表示も、しなくてはならないでしょうか……」
■小麦畑やジャガイモ畑で
近年、大自然やグルメが外国人に人気を集める北海道では、地元農家を悩ませる深刻な被害が発生しているという。
北海道のほぼ中央に位置し、雄大な丘や冬の雪景色が魅力の美瑛町。本誌の取材に、同町観光課の職員は次のように話している。
「今の季節では、刈り取り前の金色に色づいた小麦畑やジャガイモ畑に、平気で入り込んで写真を撮る。イモを掘り起こして、持って行ってしまう人もいます」