■プロでないと見抜くのは難しい
「あるお客さんから下取りに持ち込まれたのは、事故車に杜撰な修理を施しただけで販売した中古車でした。まず、塗装の一部は爪ではがれる状態。また、フロントガラスは別の中古車のものを適当にはめ込んだだけ。ところが、見た目はキレイなので、プロでないと見抜くのは難しいんですよ」
逆井氏によると、「店で見た車と実際に納入される車の装備が異なる」といった手口も存在するという。
一方、高まる不信感を払拭するため、中古車販売における“悪しき慣習”が、やっと一つ改められた。
■支払総額の表示が義務化
「10月1日より、販売事業者は、車両購入時の“支払総額”を表示することが義務化されました。これまでは、広告に安い車両価格のみを表示しておきながら、購入の際に、保証や整備などの“オプション”を強制する例が後を絶ちませんでした」(前出の経済部記者)
とはいえ、この支払総額は、車両本体価格に、保険料や税金などの諸費用を加えただけの価格だ。
「これまでも、20~30万円も上乗せするケースもありました。総額表示が義務化されても今後、“客の判断だ”と、オプションを強引につけてくる業者は出てくるでしょう。とにかく、対応が強引な業者は注意したほうがいいでしょうね」(同)
自動車は命を預ける乗り物。その販売会社は信頼できるのか、じっくり見極める必要がありそうだ。