天井裏を覗いたとき白目を剥いた女が!

もちろん心霊現象が恐いと思ったこともある。泣いたこともあった。しかし、平然としている祖父母の態度を見ていたせいか、心霊現象は恐いというよりここでの生活の一部のような感覚を持っていた。

しかし、心に大きなダメージを負う心霊現象が起こった。中学2年の夏休みのことだ。

祖父母が何かの用事で出かけたときのこと。夜8時頃、居間でテレビを見ているとラップ音が聞こえてきた。いつもは部屋のあちらこちらから聞こえてくるのが、この日は押し入れの中から聞こえてくる。

あれ、いつもと違うぞ!?

よせばいいのに好奇心に駆られた僕が押し入れを開けると、
ビキッ! パキッ!!

いつも以上に大きなラップ音が天井裏から聞こえて来た。そこで天井板をずらして、ひょいと頭を天井裏に入れていたところ……真っ暗な中で何かが動いていた。なんだ、あれ?

動いているものの正体が知りたくて、集中して見つめていると、白目を剥いた女の顔が、凄いスピードで飛んで来た。

「うわあ~!」

恐怖のあまり押し入れから転げ落ちた僕は、そのまま気絶してしまった。あの女の正体は何だったのか?

それ以来、僕は祖父母の家で過ごすのが恐くなり、7年以上も疎遠になっている。

『本当に体験した! 恐怖の心霊報告書』¥700(税抜)双葉社

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