2646人が集まった初公判での家族を裏切る愛人への求愛証言。世間やファンからの罵詈雑言を浴びようとも、絶対に守らんと腹をくくった真の相手とは――

「今のところはASKAにとっても、あの女にとっても思いどおりに進んでいると思うよ。周りから何を言われたって、このままいけば、二人の関係はバレないんだからな」

こう語りながら不敵に笑うのは、ある暴力団関係者。いったい、この言葉が意味するものとは――。

8月28日に東京地裁で初公判が行われた『CHAGE(チャゲ) and ASKA(アスカ)』のASKA被告(本名・宮﨑重明= 56)の覚せい剤取締法違反(所持・使用)事件。

この日、雨が降る中、21席の一般傍聴席を求めて2646名が詰めかけた。もちろん、集まった傍聴希望者の最大の関心事は、ASKA被告の口から出るであろう覚醒剤使用歴や入手先、それに一緒に逮捕され、無罪を主張している栩内香澄美(とちないかすみ)被告(37)との関係について、何を語るのかだった。

「黒縁メガネをかけ、黒いスーツに白いシャツで法廷に現れたASKA被告は終始、神妙な面持ち。"シャブ漬け"だったとは思えない印象を受けました」(傍聴した記者)

ASKA被告は起訴内容を全面的に認め、MDMAは20数年前にロンドンで1度、それ以降は今年3月に使ったと証言。

覚醒剤に関しては、2010年夏頃に初めて使用し、以降は昨年11月から今年4月中旬頃まで使用。動機は、多幸感を得るために飲んでいた睡眠導入剤と、眠気覚ましの薬が効きにくくなったためとした。

「さらに、家族や関係者からは覚醒剤使用を疑われ、専門医からは週に1度の尿検査を提案されており、陽性反応が2回出たことも明らかにしました」(前同)

法廷が最も緊迫したのは、栩内被告に関する検察からの質問の時だった。

薬物検査で反応が出た栩内被告には一貫して「一緒に使ったことはない」「信じられない」と、その使用を強く否定したうえで、

検察 「あなたにとって栩内被告はどんな人ですか」

ASKA 「大事な人です」

検察 「大事で、好きな人ですか」

ASKA 「はい」

などと、献身的に支える妻を差し置いて、「愛」まで口にしたのだ。

「栩内被告からASKA被告に"私にしたの気づいているんだよ。今日も寝られなかった"とメールが送られていたことも明らかにされましたが、この内容は普通に考えれば薬物のことでしょう。栩内被告の尿や毛髪から陽性反応が出ていることを鑑みても、薬物の使用の可能性は非常に高いのに、不自然なほどにASKA被告はかばい続けていました」(前出・傍聴した記者)

しかも、ファンや世間からの反発はおろか、家族を裏切ってまでもASKA被告がかばおうとしたのは栩内被告だけではないという。

80年代にトップアイドルとして輝いた女性Aの存在が浮上しているのだ。

「ASKAとAはシャブ仲間だったんだ。もともとは供給ルートが同じ暴力団組織というだけだったんだが、仲介者を通して直接の関係を持ったという話だ」

仮の名を健一氏とする冒頭の暴力団関係者がこう話すAこそが、80年代トップアイドルである。

「栩内はシャブルートやASKAのそういうつながりについての詳細は知らなかっただろうが、普段のやり取りから、それに近い情報は持っていたはず。栩内が無罪を主張している以上、ASKAはAにつながる情報をバラされないために、家族を捨ててでもかばわざるを得なかったのでは」(前同)

多くのプロダクションからスカウトを受けてデビューしたAは、いくつものヒット曲に加えてインパクトのあるドラマやCMに恵まれたこともあり、人気アイドルたちの中でも一線を画した道を歩んでいく。

一方、Aよりも早い79年にデビューしたチャゲアスは、81年にアルバム『熱風』がオリコンチャート1位に、86年の『MIX BLOOD』が同3位になってはいたが、この時期、シングルでの爆発的な売り上げはまだなかった。

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