球団にとって選手は"商品"
こうしたチーム状況を、球団はどう考えているだろうか。
球団広報に、以下の3点について事実関係を問い合わせ、見解を求めた。
①橋爪選手以外に桂選手も暴力事件に遭っていたのか
②徐容彬氏への面罵と辞任について
③佐伯監督の"熱血指導"と、選手より先に寮の風呂に入っていることについて
広報担当者から記者の電話に直接届いた回答は、「そういう事例はいずれもありません」という、実にそっけないひと言だった。
「徐コーチ補佐の面罵事件も辞任もどちらも事実でない、ということですか?」
記者がその場で問うと、「たぶん」と頼りない答え。
「事実関係を調べた上での回答ではないのですか?」と念押しすると、「もう一度確認する」と言って電話は切れた。
再度、連絡があり、徐コーチ補佐が辞任したことだけはようやく認めた。
立教大で活躍後、中日に入団した経歴を持つ、元ヤクルトスカウト部長の片岡宏雄氏はこう語る。
「こうした話が本当ならば、あってはならないことです。球団にとって選手は、いわば商品。指導者はそれを預かる立場ですから、殴るなど絶対にしてはいけない。私が中日に入団した59年当時でも、暴力はもうなかった。指導者が殴るというのは、教える才能がないということ。他人の親から人の子を預かっていると思えば、自然と選手を大切にするはずなんですが……」
落合GMの判断や、いかに――。