伴侶を得て気持ちに変化が?

「たかじんさんとは、何度も番組で共演したことがありますが"○○銀行に預金してるもん、おるか? あそこ、潰れるで"なんてことを平気で言うんですよ。ああいうことができるのは、彼ならではですよね」と言うのは、社会評論家の小沢遼子氏。
「テレビでは毒舌なのに、歌手のときは大変な美声の持ち主。その二面性というか、ギャップが彼には常にありましたね。本人にそのことを言ったら、キョトンとした顔をしてましたけど。豪快に見えて、実はものすごく繊細で、気配りのできる人。ああいう才能の持ち主は、この先、もう出てこないでしょうね」

若い頃、父親に勘当され、最初の妻との間にできた一人娘とも疎遠だったたかじんは、肉親との縁は薄かったように見える。そのせいか人一倍、寂しがり屋の一面もあったようだ。
「太く、短く生きる」ことをモットーにしていたたかじんは、「オレは60歳前に死ぬ」と豪語。病気になるまではヘビースモーカーで大酒飲みだったが、
「さくらさんという伴侶を得て、心境の変化があったんでしょう。『殉愛』では彼が書き遺した"60で死ぬと決めといて惜しいと思うんはさくらがおるからか?""まだ死ぬんは嫌やもう会えんくなる""さくらと、しといたらよかった"などの生々しいメモも紹介されています」(芸能記者)

がん再発後の2人の闘病生活は壮絶だった。痛み止めの麻薬と睡眠薬の副作用で幻覚を見る"夜間せん妄"の症状が出たたかじんが、さくらさんに暴力を振るったこともあったという。
24時間つきっきりで看病するうちに、彼女は突発性難聴を発症。左耳の聴力を失った。
「彼女の看病ぶりは主治医をして"これほど献身的に看病した女性を私は見たことがない"と言わしめたとか」(前出・女性誌記者)
そんな彼女に、たかじんは何を残したのだろうか。
「たかじんさんが死の間際に作成した遺言書には、夫妻名義の預金と東京と大阪のマンション、番組の冠料をさくらさんが相続し、数億円と言われる遺産は大阪市や親がいない子どもたちのための施設、盲導犬協会などに寄付すると記されていたといいます」(前同)
現在も「たかじん」の名を冠した3本の冠番組が放送されているが、
「一説には、3番組の冠料は、年間で合計1億円になるとも言われます。これは、さくらさんの献身に対するたかじんさんの愛情と感謝の気持ちの表れと言えるでしょう」(芸能記者)

虎は死して皮を残すというが、ナニワの帝王は"純愛"という名の年俸を妻に残して旅立ったのだろう。

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