「世界中で嫌われもの」に!!

「周は胡錦濤政権時の序列第9位の常務委員。これまで常務委員経験者はアンタッチャブルな存在とされてきた。そのタブーを打ち破ったわけです。粛清された連中の大半は、江沢民元主席に連なる一派で利権集団。中国の権力中枢は目下、血生臭い殺し合いの真っ最中。つまり、習政権は凄まじい恨みを買っている。粛清を完全に終えるまでは、常に"刺される"リスクがあるということです」(前出・宮崎氏)

中国史上類を見ない汚職追放ショーに、国民は拍手喝采だというが、
「国民は、腐敗摘発の本質は"政敵の追い落とし"と"利権の強奪"が目的であることを知っています。現在、中国全土で"毛沢東への回帰"を叫ぶ運動が盛んなのも、その証拠。毛時代は"皆が貧しかったので、平等だった"というわけです」(前同)

中国国内に蔓延する諸問題は、政治腐敗、少数民族の叛乱、治安の悪化、食糧、水不足、環境汚染問題――と数え上げればキリがないが、外交問題も"命取り"のレベルだという。

「最大の失敗は、蜜月だった米中関係が完全崩壊したこと。13年6月の初会談では、"新しい大国関係"をオバマと約束し、米中は急接近しました。ところが、昨年11月のAPECでの会談は10時間以上に及ぶものでしたが、成果なし。これは、昨年7月に中国とロシアが主導する形で、BRICs(ブリックス)開発銀行を設立したのが大きい。これは旧西側陣営が主導するIMF、世界銀行体制を脅かすものですからね。アメリカはもとより、欧州でも中国離れが進むはずです」(同)
アジアでも"力による現状変更"がさまざまな軋轢を生み、フィリピン、ベトナムとの関係は冷え込み、インドも警戒を厳にしている。

さらに、「経済援助を武器に進出したアフリカや中南米諸国でも、現地で"反中気運"が高まっている」(前出・外信部記者)というから、"世界中で嫌われもの"になりつつあるのだ。

このように、無事でいられるのが不思議なくらいの中国だが、さらに厳しい状況なのが韓国だという。
「韓国はGDPに占める輸出依存度が約50%と異常に高く、さらに、その輸出は5大財閥の寡占状態にあります。ところが、この5大財閥の経営状態が、ここにきて極端に悪化。国家経済を直撃しているんです」(経済誌記者)

韓国が、これまでお家芸としてきた5大財閥による"5大産業"――スマートフォン、自動車、造船、鉄鋼、石油化学――が総崩れ状態にあるのだ。

まず、最大手のサムスン電子。主力だったスマホやタブレットの販売不振で、昨年7~9月期の営業利益が、前年同期比で約60%も減少。かつては、"日本車キラー"と呼ばれた現代(ヒュンダイ)自動車は約20%減。

鉄鋼最大手のポスコは約2%減と気を吐いているが、実は比較対象となる一昨年の同時期が約50%の減益と、おぞましい数字。一時、世界を席巻していた造船最大手の現代重工業も、72年の創業以来、最悪の業績。さらに、石油化学関連企業も軒並み赤字転落と、"いいとこなし"の状態なのだ。

『悪韓論』や『呆韓論』の著書のあるジャーナリストの室谷克実氏が言う。
「朴槿恵大統領は"日本の失われた20年(バブル崩壊後)のように愚かなことをしてはならない"と、大ミエを切っていますが、現状のまま韓国経済が推移した場合、"そもそも、20年も国が持つのかな"という印象です。日本は職人大国と言われるように、基礎開発や改良を重ね、市場に受ける商品を作り出す技術と文化があります。ただ、中国同様に"パクリ"で産業を支えてきた韓国には、そうした底力はないでしょうね」

これまで、韓国の輸出企業はウォン安を武器に急成長。それが、ここにきて円安が急速に進み、韓国の輸出企業を直撃。韓国財界は、アベノミクスによる円安がウォン高を招き、輸出産業が不当な大打撃を受けていると主張している。
「ここでも悪者は日本。もう、いい加減にしてくれと言いたいね」(前出・議員)
経済同様、政権基盤も揺れに揺れている。
「昨年6月の統一地方選で朴大統領率いる与党が大敗。昨年末の世論調査では支持率が40%を割り込んでしまいました。任期3年を残し、レームダック確定です」(前出・通信社記者)

朴政権のつまずきは、セウォル号沈没事件がきっかけだったという。
「一連の対応のまずさはもとより、沈没直後の"空白の7時間"に朴大統領と会っていたとされる男性が、政策に介入していたという疑惑が浮上しているんです。産経新聞の前ソウル支局長が、地元紙の報道を受けて"その人物は大統領の恋人"と書いたら、在宅起訴されて出国停止になった。こんなこと、民主国家ならありえません。韓国は成熟した民主国家ではないことが、世界中にさらされた事件ですよ」(前同)

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