せっかくコツコツ働いても、判断誤れば、奈落の底へまっしぐら! 不安につけこむ悪辣手口を一挙公開。

リタイア後の生活に不安はつきもの。老後に備え、貯蓄に励んでいる人も多いのではないだろうか。
「60歳以上の平均貯蓄額は2000万円を超えると言われています。これは、わが国全体の個人金融資産の約6割を占める額です」(全国紙社会部記者)
こうした"老後マネー"を狙った詐欺などの被害が現在、後を絶たない。
「金持ちだから狙われるわけではありません。高齢者は、他の世代に比べて気力や体力が劣っている、昼間も自宅にいる割合が多いなど、カモにしやすい要素が多いからなんです」(前同)
電話勧誘、家庭訪問販売など悪徳商法の被害が、シニア世代に圧倒的に多いのもそのため。

鹿児島県内で一人暮らしをする和田正さん(66=以下、回答者は仮名)も、そんな被害者の一人だ。
「2年ほど前に、50代の女性営業マンから補聴器の訪問販売を受けたんです。今思えば、これはきっかけ作り。それ以降、購入した補聴器のメンテナンスを口実に、彼女は頻繁に訪ねて来ました。一人暮らしの寂しさも手伝って、外食や日帰り旅行までする関係になったんです」(和田さん)

そのうち、彼女の息子がやっているという投資会社の社債を勧められたという。
「300万円も損をしてしまいました。提訴も考えましたが、弁護士などの費用もかかるし、気力も萎えて……。泣き寝入りです」
また、最近多いのが"劇場型勧誘"と呼ばれる手口。
「特別な債券や発展途上国の外貨取引などのパンフレットを送り付け、その数日後、"パンフレットが届いた人にしか購入権がない。数倍の価格で買い取るので代わりに購入してほしい"と電話します。ですが、この電話の主と販売業者はグル。ターゲットが転売目的で購入した途端、姿をくらますんです」(前出・全国紙記者)
もっとも、老後マネーを狙うのは悪徳業者ばかりではない。一般企業、さらには大手、一流といわれる会社ですら、信用の高さを逆手に取り、犯罪スレスレのことをやっているのだ。

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