松永さんはベースランニングを見ても、他を圧倒。一塁ベースを蹴る足の角度が45度に保たれている。いや、45度というよりも左手が地面に付くくらい、傾斜がある。このベースの蹴りを見て、「違う!」と思いましたね。

例えば、車高の高いトラックやバスは急カーブを曲がると車体が浮いてしまう。ところが、松永さんのそれはカーブになると車体が沈む。その感覚です。

野球の例えでしたら、盗塁がいいかもしれません。二盗の場合、セカンドでアウトセーフは一瞬。センチにすると5cm~10cm足が速いかグラブが先かの話。この5cm~10cmを普段の練習から完璧にできているのが松永さんです。

俊足の松永さんは、100m競走では僕よりもスタートした瞬間に2歩も3歩も前にいる。「よーいドン」でスタートしたハズなのに、この時点でこれだけの距離…これは「敵わないなあ」と思いました。

次回は、当時の上田利夫監督について回顧していきましょう。

野球が一番!

パンチ佐藤(ぱんち・さとう)プロフィール

1964年12月3日生まれ
亜細亜大学から熊谷組を経て、オリックスにドラフト1位で入団。プロ野球時代、トレードマークのパンチパーマと独特な発言で人気者に。引退後はタレントとしても活躍し、2015年シーズンからBCリーグ『武蔵ヒートベアーズ』の宣伝本部長に就任した。

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