旧正月の休暇で45万人がわが国を訪れた。お金だけではなく、自国の評判まで落とし、中には悪ラツな犯罪のお先棒を担ぐ者も!

1200億円富裕層と一緒にやってきた
「中国偽造カード集団」悪ラツ手口


中国人が沸きに沸いた1週間が幕を閉じた。2月18日から始まった、中国最大の祝賀イベントでしゅんせつ長期休暇となる「春節」と呼ばれる旧正月。
今年は、多くの人が7連休を取れる日並びだったため、昨年よりも10%多い約520万人が海外に飛び立ち、そのうち45万人が大挙、日本を訪れたのだ。
旅行者は、青天井の予算で商品を買いまくる"爆買い"をし、日本における消費総額は1200億円と言われ、メーカーや小売業界にとっては特需ともてはやされた。
一方で問題となったのが、そのマナーの悪さやイベントに乗じた詐欺だ。さまざまな悪意が日本列島を蹂躙(じゅうりん)したのである。

春節の休暇開始直後の2月19日、警視庁の発表が波紋を呼んだ。
「偽造クレジットカードを使い、銀座の百貨店で計80万円の高級時計ロレックス2個をだまし取ったとして、日本に住む中国人男性3人が逮捕されたんです。3人は同じ手口を60回以上繰り返しており、これまでの被害総額は1100万円以上に上ると見られています」(全国紙社会部記者)

これだけなら珍しくない事件なのだが、気になる点が発表のタイミングだという。この事件が起きたのは昨年9~11月。つまり、"今"の話ではないのだ。
「これは、中国人が大挙して押し寄せているこの時期に、警鐘を鳴らす意味合いがあると思われます。というのも、この春節の時期を狙った"偽造カード集団"が、富裕層に紛れて来日し、日本人の懐を狙っているんです」

この招かざる客を手引きするのが在日の中国人犯罪集団だと話すのは、裏社会に詳しいジャーナリスト。
「犯罪グループは、この時期までに日本国内の個人や店舗、ネットなどからカード情報を大量に不正取得し、偽造カードを作成。春節で来日する中国人に渡して不当な稼ぎを得るんです」
渡したカードで購入させた商品と引き換えに報酬を払う場合もあれば、カード自体を売って金銭を得るケースもある。いずれにせよ、不当な請求はカード情報を盗み取られた一般市民へ行くのだが、どうして、わざわざリスクを冒してまで他者を介するのか。

このジャーナリストによると、2つのメリットがあるという。1つは、
「偽造カードの中には、すでに利用停止されていたり、偽造に失敗したものもあり、それらは店舗で使用した際にエラーが出るんです。一方、正規のカードでも、発行した国以外ではレジで通らないことが多々あり、お店側も経験則として知っている。つまり、完全なる旅行客に使わせれば、店側に怪しまれずにカードを"使ってみること"ができるんです」

もう1つは、この時期に何をどれだけ買っても、誰も不思議に思わない点だ。
「爆買いする中国人が大勢いるわけですから、紛れられるんです」
被害者が気づくのは、カードの請求が来てからなので、3~4月だろう。
さらに、最近は日本に来てからカード情報を盗み取やからり、それを利用する輩も増えているという。話すのは、偽造カード犯罪に詳しい広域団体の3次組織幹部。

「これまでのカード情報を読み取る方法は、カードを直接機械に読み込ませる"スキミング"だったんだが、ここ数年、カードに近づけるだけでデータを盗み取れる"非接触タイプ"の専用機器が出回っているんだ。しかも、見た目をスマホに似せたものまであり、財布や服越しでも読み取りできる。満員電車やエレベーターは狙い目だな」

さらに怖いのが、ターゲットはクレジットカードだけではないという点だ。
「銀行のキャッシュカードも狙っているんだ。やり方はクレジットと何も変わらない。ただ、気づいたときには預金がゼロになっているだけだ」
1200億円の"爆買い特需"と喜ぶ陰に、被害者がいることをお忘れなく。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4