「おっさんレンタル」をご存知だろうか? 1時間1000円でおっさんをレンタルできるサービスで、いま若い女性の間でけっこうな人気になっているのだ。会社では若いOLに疎んじられ、電車に乗れば女子高生に避けられる……そんな非モテの代表であるはずのおっさんが、なぜそんなにモテるのか? おっさんレンタルを主催している西本貴信氏に、その理由を訊いてみた。
そもそもなんで「おっさんレンタル」?
――まず本業のスタイリストとして活躍されていたのに、どうして副業でおっさんレンタルを始めようと思ったんですか?
西本「おっさんって、基本的に女性からの評判がよくないじゃないですか。腹が出てる、キモい、とか。それを誰かの役に立つことで、見直してほしかったんですよ。要はおっさんのいいところ見せたろ、と」
――当時はここまで受けると思っていました?
西本「いや、ぜんぜん思っていませんでしたよ。実際、最初はぜんぜん依頼が来ませんでしたからね。依頼が増え始めたのは、メディアで紹介されたことも大きいでしょうね。まったく知らない人よりは信用してもらえるでしょうから」
ちなみに料金は1時間1000円プラス交通費と、かなり安い。これまで3年近くで約1500件の依頼があったというが、トータルにすると売上は150万円ほど。はっきりいって“おいしい副業”とはいえないだろう。
西本「もともと儲けるつもりで始めたわけじゃないですから。まぁ、ビジネスとしては、はっきりいって成り立っていないですね」
――1時間のレンタルでも、移動とかで結局、2時間は取られますものね。それで1000円じゃ、割にあわないですね。
西本「もともと僕はお金大好き人間だったんですよ。でもおっさんレンタルをやっているうちに考えが変わってきましたね。おっさんレンタルで人に喜んでもらえる、ありがとうって言ってもらえることが本当に嬉しくてたまらないんですよ」
依頼内容は職場や友人など人間関係の悩みを聞いてほしい、と言うものから恋愛相談、洋服を選んでほしいなどさまざま。男女比が3:7と女性が圧倒的に多く、下は女子高生から主婦、89歳のおばあちゃんまでと、なんとも幅広い。
――あのぉ、下世話な質問で恐縮ですが、それだけ女性の依頼者が多いと、ヘンな気持ちになったりすることってないんですか?
西本「それはないですね。キレイな人だなぁと思うことはありますけど。それに仕事ですから、そういうことは一切しないと決めています」
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