ダービーは渾身の7-7で勝負! 95年の再現かぁ!?
のん兵衛は落ち込むと、癒しを求めて焼き鳥屋や居酒屋に滑り込む。
あれは、いまから20年前のこと。土曜日の府中競馬場で、数十万円という身分不相応なおカネをスッてしまったアタシは、新宿西口の“のん兵衛横丁”に駆け込んだ。
翌日はダービーだった。一番人気はサンデーサイレンス産駒のタヤスツヨシ、2番人気は同じくサンデーサイレンス産駒のジェニュインだった。前者は7枠14番で前走・皐月賞で2着、後者は7枠13番で前走・皐月賞で1着。
アタシは居酒屋で予想紙を開き、ダービーの予想に没頭した。そして、数時間後、穴党のアタシにしては珍しく、7-7の枠連1本で勝負することに決めたのである。
当日ーー、アタシは府中競馬場にいた。
運命のレースがスタート! 4コーナーを回って、直線半ばを過ぎた頃、タヤスツヨシとジェニュインの2頭が抜け出てきた。