志穂美さん直伝の後ろ回し蹴り
――釈さんとの殺陣(たて)が最大の見せ場ですが、アクション女優の大先輩であるお母さまの志穂美悦子さんから、何かアドバイスは?
文音 今回は特になかったですね。実は、出演が決まったのが撮影の直前で。短期間で役作りをしなきゃいけなかったんです。しかも、同時期に昨秋放映された刑事ドラマ『SAKURA』(TBS系)も撮っていたので、全然余裕がありませんでした。でも、『SAKURA』の前にはみっちり教えてもらいました。
――お~~、英才教育ですね。
文音 撮影に入る10日前にJAE(旧JAC=ジャパンアクションクラブ)に通って、マンツーマンで3時間みっちり教えてもらい、家に帰ると今度は母との復習授業が待っている(笑)。
――印象的なアドバイスはありましたか?
文音 "あなたのできるアクションをしなさい"と言われたことです。私はこれまで空手や格闘技の経験がなかったので、型ができなかったんです。でも、子供の頃からバレエはやっていましたので、それを生かして後ろ回し蹴りとか、足技を教わりました。
――ジャパンアクションクラブ直伝の後ろ回し蹴り!
文音 最初は体の動かし方すら、わからなかったです。そうしたら、母が一連の動きを"分解"して教えてくれました。こう動いて、次にこう動いて、みたいに。
――すごい! まだまだ現役ですね~。
文音 まだまだ全然、動けます。ホント、すごいです。
――お父さまの長渕剛さんも空手をやっておられますが、アドバイスはもらいましたか?
文音 いえ、今回はもらっていません。父からいつも言われていたのは、"中途半端なことはやめろ"。やるからには100%でなければいけない、ということです。そのために、見えないところで努力する大切さを何度も教えられました。
――表現者として、ずっと第一線に立つ長渕さんの言葉ですから、重みがあります。
文音 子供の頃から、"勉強しろ"って言われたことはほとんどないです。それよりは"目標を掲げて夢を追い駆けろ""自分が一番何をしたいのか考えろ"と言われて育ってきました。