混セをデータ分析!! 巨人の優勝確率は「衝撃の10 %以下」の画像
混セをデータ分析!! 巨人の優勝確率は「衝撃の10 %以下」の画像

6球団が激しい戦いを繰り広げる今年のセ・リーグ。だが、4連覇を目指す常勝軍団が"勝利の美酒"に酔うことはない!?

7月3日、日本プロ野球史上初の珍事が起きた。この日、首位に立ったヤクルトの戦績は、37勝38敗1分け、借金1。つまり、セ・リーグの6球団すべてが"借金生活"となったのだ。
「しかも1位から5位の5球団が、わずか0.5ゲームの間にひしめきあう異常事態。6月23日に6球団すべてが貯金0となった時点で"セ界の終わり"と騒がれましたが、ペナントはさらに渾沌としてきています」(スポーツ紙デスク)

この怪現象が生まれた大きな原因は、交流戦におけるセ各チームの大苦戦。
「セはパに44勝61敗3分けと17も"負け越し"。特に交流戦前にセの首位争いを演じていた巨人とDeNAが大失速したことで、近年まれに見るダンゴ状態になっているんです」(同デスク)

現在も続く、セ6球団によるデッドヒート。だが、ここにきてズルズルと"トップ集団"から離され始めたチームがある。
「中日です。問題は主力野手の高齢化で、44歳の谷繁、43歳の和田、41歳の小笠原、さらに荒木や森野も30代後半です。厳しい夏場を乗り切るには、なんとも心もとない。投手陣も、リーグトップの9勝を挙げている大野雄大頼みでは厳しい」(民放スポーツ局記者)

借金8で5位ヤクルトから2ゲーム差(7月8日時点=数字は以下同)だが、ここからの上昇は難しい。同じくヤクルトも、投手陣が崩壊し、立て直しは困難な状況だ。
「典型的な打高投低のシーズン。本塁打&打点王の畠山、本塁打2位の山田がいながら、計算できるピッチャーはライアン小川だけ。その小川ですら、4勝5敗、防御率3.28。これでは戦えませんよ」(同記者)

ペナントレース序盤を盛り上げた中畑DeNAも、交流戦での10連敗で、勢いを失ってしまった。
「勝負どころで踏ん張れない"脆さ"が露呈してしまいましたね。この後、夏以降に本当の勝負どころが来るはずですが、そのときも同じように腰砕けになる可能性があります。結局、優勝争いでモノをいうのは"経験"。その意味では、巨人と阪神には経験値がありますから、その点は有利だと思われます」

野球評論家の橋本清氏がこう言うように、シーズン開幕前、多くの球界関係者が「優勝最有力候補」に挙げていたのが巨人だった。
だが、いざシーズンが始まってみると、勝率5割をキープするのが精いっぱいの状況だ。
野球解説者の江本孟紀氏は、こんな指摘をする。
「僕は開幕前に巨人の優勝を予想していたんですけどね……。現在、セ・リーグがこのような混戦状態になっている最大の要因は巨人ですよ。あれだけの高額年俸をもらっている選手たちが、まるで打てていない。あれだけ打線が湿っていたら、勝てるはずはありませんよ」

7月8日現在、巨人のチーム打率は.236と6球団中で最低。本塁打もリーグ4位の48本と打撃は低調そのものだ。
江本氏も、前出の橋本氏も、「今のままでは、今年の巨人の優勝はない」と口をそろえる。
はたして、巨人のリーグ4連覇はあるのか――。

そこで本誌は、過去のペナントレースのデータを徹底調査。現時点(80試合終了)での巨人の成績と照らし合わせ、「優勝確率」を導き出してみることにした。

過去15年間のセ・リーグ優勝チームの残した成績を平均すると、チーム打率.266、同本塁打数146.8本、同防御率3.20。これが、いわばV条件、つまり「優勝基準値」となる。

今季の巨人を見ると、80試合終了時点のチーム打率.236、同本塁打48本(143試合換算で約86本)、同防御率2.81。防御率のみ優る一方、打線の低調ぶりが際立っている。
「この15年間で、最も低いチーム打率、少ない本塁打数で優勝したのは11年の落合中日です。打率.228、本塁打82本の"最貧打線"ながら、18勝を挙げた吉見、45ホールドの浅尾、37セーブの岩瀬ら投手陣が奮闘し、チーム防御率2.46を残した。つまり、守り勝つ野球を実践し、優勝したわけです」(スポーツ紙中日担当記者)

この年、中日、ヤクルトに次ぐ3位に終わった巨人。興味深いのは、11年シーズンのチーム成績が今年と極めて似通っている点だ。

●打率 11年.243
    15年.236

●本塁打 11年103本
     15年86本(※予想本数)

●防御率 11年2.61
     15年2.81

低調に終わった11年シーズンの主力打者は、坂本勇人、藤村大介、長野久義、ラミレス、阿部慎之助、小笠原道大、亀井義行、高橋由伸、谷佳知、矢野謙次ら。

一方、投手陣を見ると、先発には内海哲也(18勝5敗、防御率1.70)、澤村拓一(11勝11敗、同2.03)、東野峻(8勝11敗、同3.47)、西村健太朗(7勝5敗、同1.82)の4本柱。
中継ぎに越智大祐(11ホールド、同2.75)、山口鉄也(25ホールド、同1.75)がおり、抑えの久保裕也(20セーブ、同1.17)につなぐリレーで、年間を通じて安定した結果を残している。

「ピッチャーは良かったのに、打率.316で首位打者を獲得した長野以外、全体的に打てない年でした。飛ばないボールが採用された年だったためか、ホームランはラミレスの23本が最高で、この15年間で最も少ない本数に終わっています。原監督もスタメンを固定することができず、開幕6番だった長野を、5月に3番、7月には4番に座らせるなど、さながら"長野頼み"でした」(スポーツ紙巨人担当記者)

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