会場にきてもらうためならどんなカードでも切っていきたい

――最近ではももいろクローバーZのライブで試合をしたり、イオ選手自身もヌード写真集を出したり、ほかの団体にはない珍しい話題が豊富なスターダムですが、そのことへの反響は?

イオ おかげさまで増えてますね~。私たち選手は試合後に売店に立つんですけど、そのときに「ぼくモノノフです!」みたいな感じでお話してくださったり、ももクロTシャツを着て応援してくれていたりとか。会場での反響は嬉しいですよ。でも、それって実際に試合の内容が伴ってなかったら出来ないことじゃないですか。

――初めて会場に来た人をプロレスにハメる絶対の絶対の自信があると。

イオ いま女子プロレスを好きな人って何人いるんだろう? って考えたときに、女子プロレスファンの中だけを見るんじゃなくて、スターダムを観たことのない人たちにどうやったら広められるのかを見ていたいんです。だから使える武器は全部使ったほうがいいし、切れるカードは全部切りたい。じゃないと届かないと思ってるから。だから、グラビアもやって、下心スタートでもいいから振り向かせて、そこで試合を見にきて欲しいんです。実際に会場に来てもらえれば、一発で「すごいことやってるな!」って思ってもらえる自信がスターダムにはあるから。

――さすが“逸女”と呼ばれるイオ選手。新日本プロレスの棚橋弘至選手も同じテイストの発言をしてまして、自分が前面に出て、例えば見た目から興味を持ってもらって「え、プロレスラーなの?」と興味を抱いてもらえれば、そこからプロレスに夢中にさせる自信があるという意味合いの発言だったんですが。

イオ そうですそうです、まさに。で、興味を持ってもらったとしても「全然おもしろくないじゃん!」って思われたら本末転倒で。でもそうじゃなくて、試合を見た人から「うわっスゴイ!」って思ってもらえる絶対の自信があるから、だからセミヌード写真集も自信をもって出せるんです。

――スターダムの選手は本当にルックスも実力もあるので「プロレスラーなの?」という問いも逆に有利ですよね。

イオ はい。だから、それこそネイルサロンに行ったり、こまめに美容室に行って見た目を綺麗にするとか、コスチュームを可愛らしいデザインにして、子供とか小さな女の子に興味を持ってもらうとか……。小さなことですけどコツコツやってますね。

――いや、小さいどころかスゴい大変なことですよ! 

イオ 見てくれた人に「私もスターダムの選手みたいになりたい」とか憧れてもらうことって大切だと思うんですよね。それで、有能な新人が入門してくれたら最高じゃないですか!

――でも、これまでの女子プロレスって、そことは真逆だったといいいますか。

イオ 自分の居場所がなくなるからって、出る杭を打っていたんですよね……。私がそういう扱いを山ほど受けたから絶対にやらないって決めました。

――なるほど。

イオ いや、だって、後輩がスターになったとしますよ。その分、団体の価値も上がるんですよ? イコール、自分にも返ってくるんですよ? それなのに、浅はかなことをやったって誰も笑顔にならないじゃないですか? 私はお客さんのためにプロレスをやっているんであって、自分のためにやっているわけじゃないんで。

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