毒舌の矛先は自分自身にも!

ちなみに、小沢氏の印象に残った有吉語録は、
〈人間、挨拶とお天気の話だけできれば、それで十分〉
〈ブ男ならブ男なりの身の丈にあったファッションをしなきゃいけない〉

最初は厳しく思えるが、その内容を考えれば、至極納得してしまう。
このような、身の回りや社会の真実を突いた発言が多いのも彼の特徴で、
〈もともと自分なんてないと思ってますから。本当に自分なんてあるのかな? ないんじゃないのかな〉
〈最近、ゴミみたいにいますからね、カリスマ〉

と"自分探し"ブームや、すぐに「○○カリスマ」が現れる風潮も一刀両断。また、
〈イケメンのことは"生意気なツラしやがって! 顔以外はゴミだろ!"って呼ぶことにしました〉
〈ブランド名を言えば"オシャレだろ"って言うヤツいるだろ? 何なの、アレ? そんな看板とか肩書でな、頭を下げるんじゃねぇよ!〉
と、外見重視の姿勢へも手厳しい。

この背景には、有吉自身の苦労した経験があると話すのは、芸能ライターの織田(おりた)祐二氏だ。
「『進め! 電波少年』(日テレ系)での彼のブレイクと、その後の長い低迷は、多くの人が知ってますよね。その苦労を乗り越えた有吉だからこそなんですよ」

さらに、毒舌の矛先は、誰にでも向けられるわけではないという。
「キツイことを言うけど、言い返せる人に向かって言うわけで、イジメとは違う。シュンとなるような人には言わないでしょ。それじゃ、お笑いではなくなっちゃうものね」(前出の小沢氏)

彼の苦労は、言葉だけでなく、人と人とのバランス感覚も磨いたということだ。
そして、有吉の本当のスゴさは、自分自身をもイジリ倒すこと。サッカーW杯の直前で、そうした番組が増えているときには、
〈時期的に、そろそろサッカー大好きです! って言い始めようかな〉

現在、公開中の映画『進撃の巨人』のポスターを見かけた際には、
〈オール巨人の弟子を破門になっておりますので、巨人という文字には、とても敏感です………〉
と自らの過去をえぐり出す始末。

もし、同様のシチュエーションで他の共演者に向ければ、苦笑必至の毒舌である。
「真実を突き、人を傾聴させるだけの中身を伴い、さらに、自らも落としてしまうのが、有吉の人間力なんです」(広告代理店社員)

さぁ、苦労を乗り越え、テレビ界の新帝王に君臨する彼の"毒舌名言"を、声に出して読んでみよう!

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