まだまだ、こんなものじゃありません。ディープインパクト、キズナはもちろん、奇跡のようなたった一度の巡り逢いで重賞を制覇させてもらった馬まで、一頭一頭、一レース一レース、当時の馬場状態から、道中の位置取り、どうやって馬群を捌(さば)き、どんな脚色でゴールしたのか……ほぼ、頭のなかに入っています。
何度か、ケガでターフを離れたこともありましたが、ここまで長い間、騎手という仕事を続けてこられたのは、そして、こんなにもいい馬に巡り逢うことができたのは、両親のおかげであり、オーナー、調教師の先生はじめ、関係者のみなさん、「頑張れ、武豊!」と今も変わらず声援を送ってくれるファンのおかげです。
でも、これはひとつの区切りであって、先週も書いたように、武豊の競馬はまだまだ、現在進行形。今週は、トーセンビクトリーとともに挑むGⅠ「秋華賞」が待っています。
JRAの最年長重賞勝利記録は、岡部幸雄さんが持っている54歳1か月。まずはここを目標に、さらに、18年後の第100回ダービーでの勝利を目指して、また、明日からトレーニングに励みます。
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