「現在のバラエティ番組で芸人に要求されるのは、フリートークの上手さや、ハプニングが期待できる特異なキャラクター性。40歳前後の中堅実力派がひしめいている現状で、経験の浅い若手が食い込める隙間はほとんどありません。昨年のキングオブコントの結果、恩恵を受けたのは2回戦に進出したバンビーノだけ。音ネタが子供にウケて多数の営業をこなしましたが、早くも一発屋扱いされかけていますし、たとえ営業の数はこなしても、TVで活躍したとはとても言えない結果。芸人のキャラがわかりやすい漫才ではなく、設定が作りこまれたコントでは、バラエティ番組での即戦力があるかどうかを判断することが難しいのも、キングオブコントが“優勝しても売れない”と言われる原因のひとつでしょうね」(放送作家A氏)

「コントはセットにカネがかかる割に数字が取れない、というのはもはや定説になっています。現在はネタ番組もほぼ全滅状態で、深夜で試験的にネタ番組を始めては失敗する、という例が続いています。ここ数年、バラエティ番組では“面白い素人”を探す企画がブーム。若手の放送作家にも各局から“数字の取れる素人を探せ”と大号令が下っています。そんな現状で若手芸人をイチから育てる余力はとてもありませんね」(放送作家B氏)

さらに、ナインティナインの岡村隆史は10月17日放送のラジオ『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』で、よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪所属の芸人が「東京へ行く」と言い出すと、大阪だけで囲われてしまったり、逆に「勝手に行ってください」と突き放されてしまうことがある、と大企業ゆえの内部事情を明かしている。

今回優勝したコロコロチキチキペッパーズは、大阪に活動の拠点を置いているが、このまま「売れる」ことができるのか。その結果次第で8年目を迎えたキングオブコントの存在価値も問われているかもしれない。

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