プレミア12の敗因から新監督分析まで…球界大物OBが2016年プロ野球をブッタ斬り!!の画像
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 有力選手のメジャー流出に出戻り選手の体たらく。「プレミア12」で惨敗を喫した侍ジャパンは、そして今季の日本プロ野球界はどうなる!? 今回も、黒江透修氏(77)、江本孟紀氏(68)、川藤幸三氏(66)の情熱ほとばしる“御意見番”3人が、ズバッ、ズバッ、ズバッ!!

◆黒江透修(くろえ・ゆきのぶ)
1964年、読売ジャイアンツ入団。内野の要であり、巨人V9戦士の一人。引退後は、長嶋茂雄、広岡達朗、王貞治ら各監督を支えた名参謀として活躍
◆江本孟紀(えもと・たけのり)
1970年、東映フライヤーズ入団。その後、南海ホークス、阪神タイガースで活躍。8年連続二桁勝利を挙げた。引退後は政治家としても活躍
◆川藤幸三(かわとう・こうぞう)
1967年、ドラフト9位で阪神タイガース入団。代打の切り札として85年の阪神日本一に大貢献する。引退後はコーチ、野球解説者として活躍している

 今オフ、広島・前田健太のメジャー行きが話題になっている。日本の一流選手が海を越えてメジャーに挑戦するのは、もはや当たり前の光景だ。一方で、日本の球団はメジャーからの出戻り選手に高額年俸を支払い、大金をドブに捨てるような行為を繰り返している……。

 プレイボール早々、江本氏が喝を入れてくれた。「今は、日本とメジャーの実力なんて、そんなに違わないですよ。それなのにメディアは、いまだに日本人選手がメジャーに“挑戦”なんて言うけど、そんなこと、いつまで言うてんやと。行く選手は結局、金が欲しくて行くんだから。それを挑戦という言葉でファンを納得させ、美談を作ろうとしているだけ。向こうで稼げなくなって帰ってきた選手に対しても、みんな甘すぎる。松坂(大輔)には、ソフトバンクのファンがもっと怒らなあかん。もともと、そうした(松坂獲得の)大金は、ファンが球場に足を運んでくれたお金ですからね。今のファンは優しすぎます。このままでは、レベルがどんどん下がっていきますよ」

 黒江氏は、そうした風潮は、日本の野球界が“ガイジン天国”であることに起因するという。「メジャー帰りをありがたがるのは、外国人選手を考えられないような待遇で受け入れることと同じ。日本では複数年契約すると年俸を下げられない。松坂なんかも4年契約だろ。今のままだと給料泥棒だよ」

 同じく、「プロはハングリーさが最も重要。複数年契約は性に合わん」と語る川藤氏だが、そもそも日本復帰を前提に渡米するのが間違っていると話す。「わしゃ昔、藪(恵壹)がメジャーに行く前に言うたことある。“お前、あっちで役に立たんようになったら無人島行け。そこで一人で野球してからヨボヨボになってから帰って来い。日本で、もういっぺん野球しようなんて思って帰ってくるな!”と。藪は“無茶苦茶言うわ”と言っとったけどな(笑)。より上を目指して向こう行くんやから、片道燃料で行かんかいと。アメリカでとことん勝負したると、野茂やイチローや松井みたいな覚悟を持って行ってほしい。だけど、帰ってくることが決まったんやったら、俺はウェルカムや。(藤川)球児にも去年話しとったのは、お前はいつまでも独立リーグの夢持った若い子たちの中に入ってやる男やないやろと。そこはお前の戦場じゃない。お前の戦場はどこや? 自分の最後の力を試せる所は、やっぱり虎のユニフォームしかないやろと。もう一回、虎のユニフォーム来て、“こらぁ、打ってみい!!”と、あの150キロ以上の真っすぐで空振りを取る。その姿を見せつけて辞めんかいと。虎で生まれて虎で育った人間は、やっぱり最後も、虎で死なんかいと。だから、去年の夏以降は、本当の戦場に戻るための体力と精神力を作っとかんかいと伝えた。(西岡)剛にしても、昨季は野手では一番やった福留にしても、もっとやらなあかん。ケガせずに全試合出る。それが、メジャーから帰ってきて最後のひと花を咲かす選手の基本のラインや」

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