――そうなんですね。有名女優の方々がそういうビデオを見ているなんて衝撃発言でしたよ。でも、今の高樹さんの体も魅力的だと思います。

高樹:そうですかね~。今の私には若い女性のプリッとした感じはないけど、この垂れた感じは若い子では絶対出せないなって。腐りかけのお肉みたいな(笑)。

――腐りかけって(笑)。話は変わりますが、高樹さんは2013年に再婚をされています。この映画に出演したことによって、夫婦関係について改めて考えたりしたことはありましたか?

高樹:そうですね……この作品でも思ったんですが、最近感じるのは、女性って年を重ねると、だんだん鈍感になっていく……ならざるを得ないのかなって。同世代で子育てが落ち着いた人たちと話しているとみんな似ているんですよ。

――そういうものですか。

高樹:なんかのんびりしているんですよね、私もそうですけど(笑)。だから、何事もなく生きていられるんじゃないかって思うんです。今回の役・佐和子にとって娘と入れ替わることは、旦那さんをちゃんと見つめるいいキッカケになったと思うんです。その結果、お互いに感謝しなきゃいけないということに気づいたと思うんです。その大切さを私自身も気づかされましたね。

――高樹さんは、再婚されてまだ2年ほどですよね。

高樹:はい、再婚してからはまだそんなに経ってないんです。でも実は最初の結婚にいい思い出が無いんですよね……。最初の旦那さんは6歳年下でしたが、このことがあってから年下がちょっと苦手になったんですよ。もう私は、男として成熟していないと魅力を感じなくなったというか……。加齢臭がするくらいが、ちょうどいいのかなって(笑)。

――その発言は、本誌の読者の方々に勇気を与えてくれますよ! でも、最初の結婚がそれほどいい思い出じゃないのに、なぜ再婚をしようと思ったのですか?

高樹:う~ん、今の旦那さんは私と同じ年ですが、最初はまったく相性が合わなかったんですね。でも、何か相談すると、すぐに彼はアドバイスをしてくれるんです。それで、旦那さんは、“男性としてはスキルが高い”と思ったんですね。でも、お酒が入ると別人になるんです。明るくなって、典型的な親父っぽくなって(笑)。そのギャップに興味を引かれたんですよ。あと、とっても几帳面なところもあります。

――いろいろと熟した男性なんですね。とても几帳面とは、どんな感じですか?

高樹:実は、家にDVDデッキが6台くらいあるんです。旦那さんが映画好きということもあるんですが、それで、リモコンが9個ぐらいあるんです。

――9個!? それは多いですね~。

高樹:そうでしょう(笑)。それが、いつもキッチリと美しく並んでいるんですよ。私はガチャガチャ置いちゃうタイプなんで、旦那さんはいつも困っていると思います(苦笑)。

――最後に今後の目標をお願いします。

高樹:私、もともとお芝居が大好きなんです。最近、またお芝居のお仕事をさせてもらって、そのことを改めて再認識して。特に、今までのイメージと違うことをするのが好きで、いろんな役をこなすことによって、“自分なんだけど自分じゃない”部分を発見したいというのもあって。また、今の年齢だから、格好をつけなくてもできること、役柄もあると思うので、やれるところまでやりたいですね。

――期待しています! ちなみに、最近は年齢の高い女優さんが、ラブシーンをされていることもありますが、高樹さんはいかがでしょうか(笑)?

高樹:いや~それはあまり自信がないですね~。でも、確かにアメリカのドラマで60歳代くらいの夫婦のベッドシーンって、けっこうあるんですよね。それって、男性が、女性がそういう年齢になってもちゃんと“オンナ”として認めてくれていることだと思うんです。男性とそういう関係でいられることで、女性はもっと美しくなれると思うんですね。アメリカのドラマだけではないですが、日本でもそういうふうに、男性も女性も精神的にも少しだけ上の次元に行くことができればいいんじゃないかなって思っているんです。

――ふむふむ。

高樹:必ずしもする必要はないですが、することはいいことだと思いますので、そういう役やお芝居は否定的ではないです。ただ、私が演じるとなったら、やっぱり、ちょっと恥ずかしいですけどね(笑)。

 クールなイメージが強かった高樹さんでしたが、実際にお話を伺うと、とっても明るくてオープン。女優として、女性として、ますますご活躍される姿にエールをお送りします!

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