4月最終週――金曜日からゴールデンウィークがスタートします。今年は5月2日と6日に休みを取れれば、10連休になるとか。長い休みというと、すぐに、大きな怪我を連想してしまう僕ら騎手にとってはピンとこないどころか、移動手段を確保するために四苦八苦させられるのがこのGW期間中です。

 飛行機のほうが早いけど……あっ、もう満席か。しょうがない、窓口に並んで、一番早い新幹線にしようとか、渋滞しそうだからいつもより早めにタクシーに乗ろうとか……競馬以外のことで頭を使うことが増えます。

――えっ!? 武さんって、切符も自分で買われるんですか?

 雑誌のインタビューやイベントの際、よく驚かれるのですが、飛行機も、新幹線の切符も、基本、自分で並んで購入します。

――マネージャーの方は、どちらに?

 ひとりで現場に入って行くと、不思議そうな顔をされることもあります。長い間、ずっとこれで通してきているので、僕自身にとっては不思議でもなんでもないのですが、それが奇異に映るようで。「ひとりですけど」と言っても、なかなか納得してくれません(苦笑)。

 今年のGWは、いつにも増して、移動が多くなりそうです。スタートは、5月1日、京都競馬場で行われるGI「天皇賞(春)」から。パートナーは、馬主生活53年目で、悲願のGIタイトルを獲った北島三郎さんの愛馬、菊花賞を制したキタサンブラックです。初めてコンビを組んだ前走、「産経大阪杯」は2着に敗れましたが、休み明け2走目となる今回は、体調もベスト。距離の心配もまったくなく、2つ目のビッグタイトルを狙えるポジションにいます。僕も本気で、『まつり』を歌う準備をしたほうが良さそうです。

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