前回に続いて、ウイスキー評論家の土屋守さんとの対談です。土屋さんがウイスキーと出会ったキッカケなどを教えてもらう中、なんと、世界のウイスキーを飲ませてもらうことに! 酔っちゃったら、どうしよう~。
土屋「まず、飲んでもらいたいのがこちら。ハイランドパークの25年物です。オークニー島というスコットランド北部で作られたお酒で、そこは、かつてはバイキング(海賊)が支配していたといわれています」
ゆま「へえー。25年物ってロマンチックですね」
土屋「遥か遠い国の樽に25年間、寝かせられていたお酒を今、開ける。これだけでもロマンを感じますね。さ、どうぞ」
ゆま「では、いただきます。ん~、甘い! そして、飲みやすいですね」
土屋「そうなんです。ハイランドパークはシングルモルトのオールラウンダーと呼ばれ、ピートの香りもほどよく、飲みやすいんです」
ゆま「おいしいです。これなら私でも飲めちゃう」
土屋「では、これはどうでしょう。ボウモアの12年物。ハイランドパークとは違って、ピートの香りが強いですよ」
ゆま「ウンウン! ボウモアは私も大好きです。うーん、この香り、たまらない」
土屋「とてもスモーキーですよね。正露丸みたいという人もいますが(笑)、この香りがイケるということは、ゆまさんも相当なウイスキー好きですね」
ゆま「ウフフ。確かに、この匂い……臭いといったらなんですが、臭いからこそ余計に嗅ぎたくなる感じ」
土屋「飲んでみてください」
ゆま「コクッ……ふぅ、やっぱりクセになっちゃう」
土屋「素晴らしい。ボウモアがおいしいのなら、これも好きだと思います。ラフロイグといって、“キング・オブ・アイラ”と呼ばれるほど、アイラ島で作られるシングルモルトの中でも、クセがあるんです。好き嫌いも別れるんですが」
ゆま「いただきます。おっ、なんか鼻に入ってくる感じからスゴイです」
土屋「これはアルコール度数も、54度です」
ゆま「強っ。(チビッと一口飲んで)わ、思ったより甘苦い!」
土屋「口の中で味が変化しますよね」
ゆま「ウイスキーって、ずるい!」
土屋「ずるいですか?(笑)」
ゆま「最初は独特の危険な香りを放っておきながら、実際飲んでみたら、ちょっぴり甘くて、さらに口の中で多彩な味が広がるなんて」
土屋「アハハ」
ゆま「女ってそういう男性にも弱いんですよね~(笑)。もしや、土屋さんはこうやって、おいしいシングルモルトを女性にいろいろと教えて、口説いていらっしゃるんですか!?」
土屋「いやいや。これは僕の持論ですが、ウイスキーは気持ちを鎮静化させるお酒。女性と愛を語り合うお酒には適していないと思うんですね」