ところで、24時間テレビはチャリティ番組だけに、ノーギャラと思われがちだが、さにあらず。「日テレは“拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払いをしています”と回答していますが、基本的に全員に謝礼を払っているようです。過去の実績では、メインパーソナリティーの嵐には5000万円、総合司会の羽鳥慎一には500万円、徳光和夫がマラソンランナーを務めたときには1000万円が支払われたといわれています」(前同)

 アメリカのチャリティ番組を参考に生まれた同番組だが、どんな大物でも基本、ノーギャラの米国に対し、謝礼ありの汐留の夏の風物詩。それに対する反感か、出演しない大物もいる。「明石家さんまが過去に出演した際、日テレからギャラを払うといわれ、“チャリティだから全額寄付して”と伝えたところ、局側は“お支払いします”と。それでブチ切れて以降、出演は途絶えました。ビートたけしは、ラジオで“あんな偽善番組に誰が出るか”と吐き捨てています」(前出のスポーツ紙デスク)

 ちなみに、“謝礼”はCM収入から支払われる。「企業にすれば、チャリティ番組にCMを出せばイメージアップにつながる。そうしたスポンサーが殺到するので、日テレはCM枠を通常の1.5倍の値段に設定しているとか」(前同)

 では、最後に番組内における感動のコーナーに目を向けてみたい。障害者や被災した子どもが出演するコーナーでは、あざとい演出が批判された過去がある。「03年には、番組に出演した、手足に障害を持つ子どもの父母らの会が“今後はもう協力しない”“事実は曲げないでほしい”と日テレに猛抗議。行き過ぎた演出に、不信感を抱いたようです」(芸能ライター)

 13年には震災で被災した子どもたちを“富士登山”にチャレンジさせたが、「人混みを避けるためか、マイナーで過酷なコースを登らせ、風雨で子どもたちの姿がレンズから消えるほどの悪天候なのに、登山を断行。テレビ的に“苦労を乗り越えた!”という画が欲しかったんでしょうが、演出のためなら子どもの命を危険にさらしてもいいと考えていると勘違いされかねない映像でした」(前同)

 芸能ライターの三杉武氏は、こう苦言を呈す。「番組が始まった当初は、もっとチャリティ色が強かったんです。でも、タレントやCMスポンサーが群がることで、おかしな方向に向かっている気がします。看板番組として安定した今こそ、知名度は低くても日頃からボランティアに勤しんでいる方を取り上げるなど、“チャリティの原点”に戻るべきときですよ」

 今夏は“民放の王者”にふさわしい、感動的なチャリティ番組に期待したい。

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