そんな試合とは正反対だったのが、8月に大田区体育館で行われたオープン・ザ・ドリームゲート『王者 YAMATO vsチャレンジャー 戸澤陽』戦。これまで王者に4度も輝いている、デビューからたった1年でトップレスラーに上りつめたという同期の鷹木選手とは違い、一度も王者になっていない戸澤選手。この時点ではまだ正式発表はされてなかったのですが、一部ではすでに戸澤選手がWWEに挑戦するといった報道がされていました。会場にもそんな空気は漂っていて、渡米前最後のタイトルマッチになるかもしれないと、寂しさで息苦しくなりながら試合観戦してました……。隣にいた大の戸澤選手ファンの友人も、うっすら涙を浮かべながら試合を見守っていました。

 7月の神戸ワールド記念大会の試合では、鷹木選手に追い込まれていたYAMATO選手でしたが、この日はとても余裕のあるファイトスタイル。それに必死に食らいついていく戸澤選手。最後は、YAMATO選手が得意のギャラリア3連発を決め、YAMATO選手が勝利。戸澤選手の初戴冠はなりませんでしたが、不思議とスカッとする大満足の試合でした。

 戸澤選手は、年齢でいえばYAMATO選手より下。ですが、プロレスラーデビューとしては先輩に当たります。なのに勝てない。だけれど、挑戦するため海を渡る。戸澤選手を弱いと思ったことはないし、むしろ毎回試合を観に行くたびに一番印象を残してくれる。気づけば戸澤選手に夢中になってしまうんです。私は常に“勝ち負け”を意識して生きてきましたが、そうではない輝き方とか、自分が一番輝ける場所を見つけにいくのも大切なのかなと、ドラゴンゲートの選手たちの生き様をみて勉強させられています。自分も挑戦しないと。プロレスを観ていたら、人生の勉強になると心から思います。

 これまでプロレスにたくさんのことを教えてもらってきた私ですが、初めて、プロレスラーを招いてトークイベントの司会をさせていただきます。当日登壇するのは大日本プロレスから関本大介選手と岡林裕二選手、そして登坂社長。『ワールドプロレスリング』の解説でもおなじみ柴田惣一さんに、『プロレススターウォーズ』の作者、漫画家のみのもけんじ先生という豪華なメンバーでお送りします。10月28日の19時から、場所は渋谷のトークライブハウス「LOFT9 shibuya」にて。人生の教訓となるお話がきっと聞けると今から楽しみです。それではプロレス、愛してま~~す!

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