引退・広島カープ黒田博樹、男気の陰の「意外な素顔」の画像
引退・広島カープ黒田博樹、男気の陰の「意外な素顔」の画像

 “広島愛”を貫き通した男がついにグラウンドを去る。マウンドから下りた時に彼が見せる意外な一面とは!?

 瞬間最高視聴率74.1%。驚異的な数字を叩き出したのは、10月25日に行われた日本シリーズの第3戦だ。試合を中継した広島の地元テレビ局が、冒頭の数字を記録。平均視聴率は59.6%と、同局の歴代最高視聴率となった。「この日は、今季限りでの引退を表明した広島カープ・黒田博樹(41)の先発マウンドだったんです。彼の雄姿を目に焼きつけようと、広島中のファンがテレビに釘づけとなっていました」(地元紙記者)

 結果、黒田は6回を投げて被安打4、1失点の力投を見せるが、チームは3-4で惜敗した。しかし、これだけ多くの人々を惹きつけるのは、黒田という男の経歴の随所に垣間見える、その“男気”によるところが大きいだろう。黒田の男気が知られるようになったのは、一昨年の暮れのこと。「メジャー球団からの20億円のオファーを蹴って、年俸4億円で広島への復帰を決めたときでしょう。海外メディアからは“クレイジー”と報じられましたが、日本のマスコミは“男気のなせる業”と絶賛しました」(スポーツ紙記者)

 しかし、そもそもの始まりは、06年まで遡る。当時、FA権を獲得した黒田は、メジャー挑戦の準備を進めていた。しかし、そのシーズン終盤、広島市民球場(当時)でファンが、あるメッセージを掲げた。<我々は共に闘って来た 今までもこれからも…未来へ輝くその日まで君が涙を流すなら君の涙になってやる Carpのエース黒田博樹>

 黒田が後に「あのファンの気持ちは大きかった」と語っているように、このメッセージに心を動かされ、メジャー挑戦を1年延期したというのだ。「当時の黒田は、31歳。年齢的には1年でも早くメジャーに行きたかったでしょう。それなのに、ファンのために残留を決断したわけですから、まさに“男気”ですよね」(前同)

 以来、黒田は移籍後も広島への愛を貫き続ける。「黒田がドジャースで活躍していた頃、アメリカ生活に嫌気が差し、日本に復帰するとの噂が流れたんです。情報を掴んだ巨人が獲得に動いたが、黒田は“日本に帰るときは、広島です”と断ったと言われています」(スポーツ紙デスク)

 実際に、広島時代のマンションは渡米後も処分せずに、いつか広島に帰るときのために、7年もの間、空家のままにしていたといわれている。その愛する広島に復帰する決断を下したのは、14年オフのことだった。

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