Y 不良の音楽と忌み嫌われていたロックをメジャーにすることにこだわってきた人だから、徹底的に「YAZAWA=トラブルメーカー」というイメージから脱却しようとしてるんです。
N 長渕ファンもいかつい格好をしてる人が多いから、ライブ会場に大勢集まったりすると、異様な集団に見えることもあるでしょうね。開演前や終演後に会場の前で勝手に弾き語りをしたり、それを囲んで拳を振り上げてる熱狂的ファンもいるし。でも、そのほとんどは穏やかな、いい人ですよ。どれだけ盛り上がっても、終わったら、ちゃんとゴミ拾いをしたりして。
Y 永ちゃんファンも、ライブ後に「お疲れっした!」と見ず知らずの人が握手を求めてきたり、強面でも、いい人が多いです。
N お互い、「永ちゃん/剛に迷惑をかけないように」という暗黙の連帯感や忠誠心はスゴいですよね。
Y 永ちゃんファンにせよ、長渕ファンにせよ、偏見を持たれがちだけど、みんな、すごくピュアですね。前にお寿司屋さんで永ちゃんの話をしてたら、板さんが「オレも好きなんですよ!」って食いついてきたんです。その人、包丁の名前を刻む部分に「共犯者」とか「逃亡者」とか、永ちゃんの曲名を入れてて(笑)。
N いいですねえ。ライブ会場の近くの居酒屋とかも、終演後は最高ですよね。店が同じようないでたちのファンで埋め尽くされてて、日頃は友達や同僚にできない話が、ここでは誰にでも通じるという快感がある。
Y ファンがライブでやるお決まりのことはありますか?
N 「勇次」という曲の中に「撃鉄が落とされ……」という歌詞があるんですが、そこになったら、みんな、クラッカーを出して「パーン!」と鳴らします。
Y 多くのホールでは許されないはずですけど、長渕さんのときはいいんですね。
N みんな、ちゃんとゴミを片づけますから(笑)。初参加でクラッカーを持ってない人がいると、隣の人が分けてあげたりもします。