現役時代に一緒にプレーしていた選手もいましたし、シーズン前はチームのこと、選手のことをよく分かっているつもりでしたが、いざ始まってみると、自分のイメージと実際のシーズンでは、大きく違う部分がたくさんありました。たとえば、キャンプの時にいい結果を残してくれた選手が、シーズン中に調子が上がってこなかったとか。

 シーズン当初は比較的若い選手でチーム作りをしていたのですが、ある一定のところまで来たら、選手を成長させるべきなのか、勝ちにいくべきなのか、決断をしなくてはいけない時期が来ました。そこで、ベテラン選手を使って勝ちに行ったのが、最初の決断でしたね。

 現役時代に僕は、自分がどうやれば結果が残せるのかをずっと考えてきて、ありがたいことに、いい結果を残すことができた。だから、選手たちも、もっとできるはずだと思っていたんですが、自分のやり方が、すべての選手に当てはまるわけではない。それぞれのやり方で伸ばしていかなければならないということを理解したのが、大きな一歩でした。

 ただ、シーズンが終わってみると、4月の停滞期があったにもかかわらず、最終的には、CSに初出場することができました。これは、あきらめずにその後のシーズンを戦い抜いてくれた選手たちと、応援してくれたファンの方々のおかげです。

 昔のベイスターズは、対戦チームを見たくて、球場に足を運ぶお客さんが多かったんですが、最近はベイスターズの試合を見たいと思って来てくれる。その中で試合ができるのは、大変ありがたいことです。

 ベイスターズのみんなには、できるだけポジティブでハッピーにいてほしいなと思っています。そのためにも、17年は16年以上、ハッピーになってもらえるようにしたいですね。

撮影/弦巻 勝

アレックス・ラミレス あれっくす・らみれす
1974年10月3日、ベネズエラ生まれ。米メジャーリーグを経て、01年にヤクルトスワローズ入団。来日1年目から打率2割8分0厘、29本塁打、88打点と大活躍し、チームの日本一に貢献。03年には、打点王、本塁打王、最多安打、ベストナインなどのタイトルを獲得。08年に読売ジャイアンツへ移籍し、チームの主軸打者として活躍。12年にDeNAベイスターズに移籍。外国人選手として、史上初となる日米通算2000本安打を達成。14年に現役引退し、昨季よりDeNAベイスターズ監督として活躍中。

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