初回の視聴率は16.9%で、昨年の『真田丸』が全話平均16.6%だったことを考えると大健闘だ。「あの白塗りで数%は稼いだ、といわれています。気になってしょうがない(笑)。序盤のキーマンとなっていますね」(夕刊紙記者)

 日曜日の17時半からは日テレ『笑点』。20時からはNHK大河と、日曜の夜を昇太は二度ジャックする形になる。「双方とも最低でも15%は確実な国民的番組で、昇太は一晩で合計30%を稼ぎ出すわけです。しかし、昇太が初司会を務めた昨年5月29日放送の『笑点』は、歴代最高の28.1%を記録。昇太の義元が視聴者の関心を引き、大河も20%を超えてくれば、一晩での50%超えも決して夢ではないと思いますよ」(前同)

 かつて萩本欽一は『欽ドン!』『欽どこ』『週刊欽曜日』『ぴったしカン・カン』『オールスター家族対抗歌合戦』などのレギュラー番組で1週間に合計視聴率100%を達成し続け、“100%男”と呼ばれたが、「テレビ離れが深刻なこの時代に、一晩で50%超えることがあれば、欽ちゃんに並ぶ偉業ですよ」(同)

 テレビでも活躍する昇太の特異性を、ある寄席関係者はこう語る。「昇太師匠は誰と絡んでも緊張しない。普段、落語家は一人でやりますから、人と絡むのが苦手。テレビでもひな壇やトークが不得手な人が多いんです。でも、昇太師匠は、どこでも必ずヒットを打って帰ってくる。イチローを超えてます」

 実は、昇太は業界きっての“持ってる男”。テレビ東京の『大学対抗落語選手権』で優勝し、テレビ朝日の『ザ・テレビ演芸』に漫才コンビ「ザ・まんだらーず」として出演して初代グランドチャンピオンに輝き、二つ目時代にはNHK新人演芸コンクールで優秀賞を受賞。他にも文化庁芸術祭大賞など、賞レースで負け知らずなのだ。

「ここぞという勝負には強いかもしれない。特に金がかかった場合には(笑)」とは彼自身の弁だが、「勝負強いのは本当です。表面上はフワッとして見えますが、本番前は格闘家の顔になっている。ボクシングが好きなんですが、高座直前の楽屋は、リングに上がる前のボクサーの目。それだけ、真剣に向き合っているということでしょう」(制作関係者)

 それが『直虎』での“恐怖演技”につながっている。「あの白塗りの恐ろしさは、昇太師匠の真の姿かもしれません。“笑わない奴は容赦しない”みたいな(笑)。今後は役者の仕事もますます増えると思います。メガネを取ると、顔、怖いですからね。起用したNHKの慧眼です」(月刊誌記者)

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