続けて、「特養は、要介護3以上でないと入れないので、そもそも健康なうちに入居できません。それに、入居費用は0、月額費用も介護代、生活費含め最高でも13万円程度と格安なので、超人気なんです。ですから、もし入居条件を満たしていたとしても、入るのは容易ではありません。それは老健も同様です」

 これに対し、介護付き有料老人ホームのほうは、介護が不要なうちからの入居は可能。とはいえ、中ランクだと入居時に1000万円、高級なところだと数千万円準備する必要があるところも。また、介護・生活費など含めた月額費用は、20万円程度といったところが一般的だという。

 一方、介護付きの『サ高住』は、有料老人ホームよりは安いものの、それでも特養、老健に比べれば、やはり極めて高い。では、どうすればいいのか?

「ひと口に有料老人ホームといっても、まさにピンキリ。最近は入居金ゼロ、月費用が12万円を切るところもあります。元社員寮などを改造した老人ホームをチェーン化し、大量生産で食事代も抑え、コストダウンを図った結果です」(前同)

 沢田氏によれば、介護型の『ケアハウス』も要注目だという。経済力がない人向けに、入居時0円、月額10万円を切るところもあるのだ。福祉施設に位置づけられるケアハウスは最寄りの自治体の助成を受けているのが、安く運営できる秘訣なのだとか。

 最後に、葬式の費用にも触れておこう。「死んだ後のことなんか、知ったこっちゃない」とうそぶく向きもあるだろうが、残された者の負担を考えれば、葬式代分ぐらいは残しておきたいところだ。

 この費用も、“終の住処”同様にピンキリだが、平均だと約190万円だという。なお、墓を建てれば、この倍になるが、墓に代わり最近、流行(はや)りの「納骨堂」だと平均50万円で済む。東京のような土地代が高い都会だと、遺骨はビルの中で、貸金庫のケースのようなところに収納される。

「葬儀代は、最寄りの自治体に相談するのが一番安上がりでしょう。東京都なら、すべて込みで18万8000円でやってくれます。また、最近は遺骨を墓に入れないで、親族が自宅に置いているケースが多い。これだとタダ同然です」(同)

 次章以降は、快適な老後を送るコツを紹介しよう。

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