本郷柚巴の小説家への道もゆずらへんで!
【第10回】
有名小説から冒頭の書き方を学ぶ
いつも全力~!
元気!(100%)
笑顔!(100パー!)
果汁~!!(オーッ!!)
せ~の……100パー!!!!
小説家への道もゆずらへんで!(フゥー)
NMB48チームNの15歳、本郷柚巴です!
今回は、超有名な小説の冒頭部分だけを読んで、書き出しを学びます。数々の小説家が、たった数行のために創意工夫を凝らし、苦心して書き出した冒頭からは学ぶことがいっぱいだ!
(柚=本郷柚巴 真=真代屋秀晃 写真=佐賀章広)
――有名な文学の冒頭をたくさんピックアップしてきました。実際に本郷さんに冒頭だけ読んでもらって、先人たちがいかに魅力的な小説を書いてきたのかということを学んでもらおうと。
柚「あ、これは読んだことあります! 国語の時間に」
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。(太宰治『走れメロス』より)
真「これは、今でも教科書に掲載され続けている有名な冒頭ですね。改めて読んで、いかがですか?」
柚「気になります。なんで激怒してるん? って」
真「そうですよね。ちなみに、このあとはどんな文章が続くか覚えてますか?」
柚「いえ、覚えてないです」
真「このあとって、メロスの人物設定が短い文で続くんですよ。メロスは役人である、みたいな。でも、そういうのは今の小説ではあまり良しとされていません」
柚「えっ、ダメなんや……」
真「そうなんです。ただこの小説は、最初の「激怒した」「王を除かねばならぬ」という二行があるので、“なんでなんで?”という状態で読み進められます。この二行がなくて、メロスは役人である、などがズラズラと続くとちょっとしんどくないですか?」
柚「確かに、そうですね」