福地桃子
福地桃子

 広瀬すず(21)がヒロインのなつを演じる、連続テレビ小説なつぞら』(NHK)は、7月8日の週であの宮崎駿(78)がモデルといわれる、神地航也(染谷将太/26)が登場。新人アニメーターながら、なつが働く東洋動画を引っ張りだしている。しかし染谷将太よりも注目されている女優がいるのだ。まずは7月13日の放送を振り返ってみよう。

 声優の仕事で失敗した雪次郎(山田裕貴/28)は、亜矢美(山口智子/54)のおでん屋「風車」で飲んでいた。そこに突然、北海道大学に通っているはずの夕見子(福地桃子/21)がやってくる。これに、なつたちは驚きを隠せず……という展開だった。

 この放送で注目を浴びたのは、東京では初の登場となった、夕見子を演じる福地桃子だ。ツイッターでは、「福地桃子ちゃん、演技が本当にうまい」といった褒めコメントも相次いだ。夕見子はなつとともに育った姉妹のような存在で、幼少期からなつを叱咤激励してきた大事な役どころなのだが、最近、その存在感を増している。

 夕見子を演じる福地桃子は、俳優の哀川翔(58)の実の娘。この活躍は“親の七光り”なのかと思ってしまうが、勘違いするなかれ。実は彼女、なかなかの苦労人なのだ。

 2014年に女優デビューした当初こそ父の哀川翔との共演もあったが、あえて父と違うプロダクションに所属し、以後はさまざまなオーディションにチャレンジ。自分の力で数々のドラマ出演を勝ち取ってきた。昨年、土屋太鳳(24)主演のドラマ『チア ダン』(TBS系)で、芦田さくら役を演じたのは記憶に新しいが、受けた朝ドラのオーディションは今回の『なつぞら』でなんと3回目という。苦労を重ねて、ついに夕見子という大役を手に入れたのだ。

 念願の朝ドラ出演だっただけでなく、この夕見子は福地桃子の完ぺきなハマリ役ではないだろうか。久しぶりに実家の柴田家に帰ってくるなり「なにさこの家は。女は働いてめしを作り、男は座ってめしを待つ。相変わらず遅れてますのね」と言い放ったり、「ダメだ、もっと普通を疑え、なつ!」となつに説教したり、ここのところ夕見子は名言を連発している。幼少期からなつに対して強い言葉を投げかけ続けたおませさんだったが、成長した夕見子のキャラに、福地のクールな演技はぴったり。なにを話しても「夕見子節」となり、注目を浴びている。

  1. 1
  2. 2